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ディアンズ ワーナー、東芝への決断(1)「先輩」リーチへの憧れ

2021.02.01

花園準々決勝・大阪朝高戦のディアンズ。攻守に体を張るプレーが目を引いた(撮影:早浪章弘)

「僕も恩返しをしたい気持ちが強い」

◆中学3年時のワーナー。本人(現在)も「ほっそ!」と微笑むあどけなさ。千葉県代表チームの一員として戦った

 2月1日、東芝への加入が決まったディアンズ ワーナー(流経大柏高校3年)が進路をトップリーグに定めた背景には、自分を選手として育ててくれた日本への思いがある。

 現在は、高校で後輩たちの練習に週3回ほど加わりながら体を動かしているワーナー。住まいは我孫子(学校のある柏市と同じく千葉県)、NECでコーチを務める父と2人暮らしだ。

 代表選手になるならば、将来は3つの資格があった。

 パスポートは、出生地であるニュージーランド(NZ)と、父方の祖父がいるイギリスのダブル。ラグビーの世界では、中学2年生の頃からプレー経験がある(中学時代はあびこラグビースクールに所属)日本も、選択に加わる。

 201㌢、116㌔のサイズに、7人制でもプレーするスキルへの意識、真面目な性格。大器の進路は久しくラグビー関係者の注目だった。大会中も明らかにならなかった卒業後のプレーの場は、名門・東芝ブレイブルーパスに決まった。トップリーグを選んだのは整ったプレー環境が大きい。中でも東芝を選んだのは、自分の成長を第一に考えたこと(本人曰く「コーチが素晴らしい」)、そして偉大な先輩の存在がある。

 2019日本代表キャプテンのリーチ マイケルだ。

「あれだけの経験があって、いろいろ学びたいと思った。2015年のあの大会でキャプテン、2019年大会もキャプテン。同じように海外から日本へ来ていて、似ているところも多い」

 同じNZから、札幌へ。日本で鍛えられ、トップレベルへ。偉大なる先輩、リーチの足跡は、その先に続く輝かしいキャリアに重なっていく。自分も自分の道を。ワーナーはNZに帰るのではなく、大学ラグビーの選択も辞して、日本のトップチームに身を投じることに決めた。

 ワーナー自身はすでに2年時にはU17代表に選出されており、その先に「ジャパン」の赤白フープ柄のイメージがなかった訳ではなかった。心持ちが少しずつ固まってきたのは、もちろん、楽しくプレーさせてくれたあびこラグビースクールのベースであり、掛け替えのない経験を得て、一生の友をもたらしてくれた高校生活があったからだ。

 選手として将来を考える時、東芝というチームと、偉大なる先達に出会った。自分自身の決断を前に進めてくれた。

「日本代表のジャージーを着て、ワールドカップに出たい」

「僕もリーチさんが前に言ったように、日本のラグビーに恩返しがしたい」

 進む道を見定めた若者は、はっきりと口にするようになった。

(つづく)

中学3年時のワーナー。本人(現在)も「ほっそ!」と微笑むあどけなさ。千葉県代表チームの一員として戦った(撮影:松本かおり)
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