1月16日に開幕予定だったジャパンラグビートップリーグ2021だが、6チームで新型コロナウイルス感染症の陽性者が確認され、開幕を延期することになった。当初、「2カンファレンスおよび4プール/2ステージ制のリーグ戦およびプレーオフトーナメント」としていた大会フォーマットも変更し、2月上旬~中旬の開幕を目指す。
トップリーグにおける新型コロナウイルス感染症陽性者は、すでに発表されていたトヨタ自動車ヴェルブリッツ(13名)、サントリーサンゴリアス(7名)、キヤノンイーグルス(24名)に続き、新たにNECグリーンロケッツ(3名)、神戸製鋼コベルコスティーラーズ(10名)、東芝ブレイブルーパス(5名)でも確認された。計62名。
これを受け、大会主催者の日本ラグビー協会とトップリーグは、現状況では選手、関係者の安心・安全を守った上での大会開催が困難であると判断。そのため、「ジャパンラグビー トップリーグ規約」第25条の<大会成立要件>の第2項および第3項に基づき、代替フォーマットに変更し、開幕日を延期した上で、大会を開催することを決定した。
代替フォーマットおよび開幕日は、現在関係者と調整中とのこと。
14日、日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事とトップリーグの太田治チェアマンがオンラインで会見をおこなった。
「我々日本ラグビー協会、それからトップリーグとしても、今年のトップリーグの成立をなんとしても達成したいと思っております。その観点から、参加チームの皆さん並びに選手とも協力をしながらここまで進めてきております」
会見の冒頭でそう語った岩渕専務理事が、延期を決めた理由について説明した。
1月12日時点では、コロナ陽性者が確認されたチームが関係する開幕節の2試合を中止にして、その他は予定どおり進めるつもりだったが、新たに3チームから陽性者が出て、さらに多くの試合を中止せざるを得ない状況となったため、決断を迫られた。
「現状のフォーマットのままでは、リーグ成立要件の75%を満たす可能性が非常に低くなっておりまして、この早いタイミングで決断をしました。フォーマットを変更した上で、選手・関係者の安心安全を担保したリーグの運営を再度するということで決めております。今後については、現在運用中のガイドラインの厳格化を含めて、次の開幕に向けて更なる感染対策をした上で進めていきたいと思います。リーグ成立へ向け、グレーな状況が続くのは好ましくない。一度ここで止めるのが最善の選択だろうと、いうことで皆さんと話をした上で、今日の結論に至りました」
新たな大会フォーマットについては、いくつかパターンを準備し検討しているが、まだ決まっていない。
大会開始のタイミングについて太田チェアマンは、「いま調整中。2月上旬~中旬にスタートできれば」と語った。「会場のことやいろんな調整事項があります。また、コロナの状況も日々変わっている。状況を踏まえて、予防対策を徹底しながら、濃厚接触者の特定及び自粛期間が明けるタイミングなども見極めながら判断したいと思います」
大会スケジュールについては、トップリーグが終われば日本代表の活動が始まるため、開幕は延期しても、当初の予定どおり5月下旬にファイナルとなりそうだ。
また、当初のスケジュールでは開幕節(1月16日)に国立競技場で東芝×NTTコミュニケーションズの試合が組まれていたが、太田チェアマンは「オリンピックの準備ということで、タイムライン的にはあの日時がギリギリでした。国立でやるというのは非常に厳しいかなと認識しています」と述べた。