次シーズンから始まる新リーグに向かい、1月16日に開幕する最後のトップリーグ。シーズンにわたって活躍が期待される選手たちをピックアップした。今回は、ラグビーマガジン紹介時に付されたタイトルから、それぞれのキャラクターを紐解いていく。(4回連載・第1回)
◎ヤマハ発動機ジュビロ
大戸裕矢[LO]
【何度でも殻破る】
2019年は怒涛の1年だった。29歳で人生初めての主将就任に、プロへの転向。W杯メンバーから外れる辛い経験もした。それでも失意の中で自分に足りないものがなにかに気づいた。もう一度W杯にチャレンジを、そして今季の最後のトップリーグでヤマハ悲願のタイトルを。そのためなら何度でも殻破る。
◎リコーブラックラムズ
メイン平[FB]
【これまでも、これからも!】
日本でラグビーを始めつつ、NZでもプレー経験があったメイン。高校卒業後に選んだのは、彼の地のラグビー文化の中でプレーすることだった。さまざまな経験を経て、昨年リコーと契約。二つの文化を知る自分のバックグラウンドを大切にし、決断をして、自らその将来を楽しみにしている。
◎キヤノンイーグルス
田村優[SO]
【ともに闘う。】
天才肌。リーダーのイメージがわきにくかったタイプの人が今季のキヤノンを引っ張っている。2019年のワールドカップで日本代表を躍進させた司令塔がキャプテンを引き受ける際に出した条件は「そのままでいいなら」。沢木敬介新監督の「グラウンドでやるべきことをやってくれたらいい」の言葉を受けて走り出した。
その言動を聞くと「孤高」の言葉が頭に浮かぶ。しかし、田村優は仲間を大事にする。ともに闘う姿勢を見せる者にとても優しい。
甘い顔をするわけではない。むしろ、核心をついた言葉を投げかける。それはグサッと胸に刺さるかもしれない。本人のことを思っているから単刀直入にいうのだ。
「キヤノンにはいい選手が何人もいます。インターナショナルを狙える選手もいれば、そうではなくても、キヤノンには必要な選手という存在もいる。そう感じたら、これだけはやっておかないといけないとか伝えています」
主将就任当初「やる気のない者はやめてもらっていい」とチームメートに伝えたのは、突き放すのではなく、『ともに闘おう』との呼びかけだった。
プレシーズンマッチの試合中、ピッチの上でBKに声をかけ、FWを鼓舞し続けるキャプテンの姿があった。チームが勝利を重ねたのは、背番号10が作り出す空気とは無縁ではなかった。
コロナ禍で開幕のリコー戦は中止になったけれど、赤いジャージーがピッチに立った時、ファンが昨年までと違う空気を感じることは間違いない。
◎NTTドコモレッドハリケーンズ
李智栄[FL]
【赤の衝撃】
NTTドコモに入って4年目。20年には結婚もして、ますます充実のシーズンを迎える。開幕へ向けて、ウエイトトレーニングにも力を入れて、一回り大きくなった強靭な肉体から繰り出されるジャッカル、高校時代から意識しているボールハントで、チームが掲げる「トップ8」への原動力となる。
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