高校ラガーマンの聖地“花園”で開催されてきた第100回全国高校ラグビー大会は1月9日に決勝を迎え、桐蔭学園(神奈川)が京都成章(京都)に32-15で勝ち、2季連続3回目の日本一となった。
京都成章は初の決勝進出を果たしたが、頂点にはあと一歩届かなかった。
京都成章のFB辻野隼大が前半2分にペナルティゴール(PG)を決め先制したが、桐蔭学園は20分、敵陣深くのスクラムから攻めてゴールに迫り、LO青木恵斗がパワーでディフェンダーをはね返してインゴールにねじ込み、逆転した。
桐蔭学園はさらに26分、1年生FB矢崎由高のビッグゲインで敵陣深くに入ると、相手に反則があり、WTB今野椋平がPGで加点した。
対する京都成章はハーフタイム前、FL四宮勇斗の突破からLO本橋拓馬の力強いボールキャリーでゴールに迫り、SH宮尾昌典が間隙を突いてインゴールに押さえ、トライが認められた。コンバージョンも決まり、10-10の同点で折り返した。
両チームともディフェンスが強く、互いに激しくプレッシャーをかけた。
だが京都成章は後半3分、ボールを奪い返したあとのミスで相手に得点を許してしまう。
京都成章は自陣深くでターンオーバーしたが、その後、パスを乱し、ボールを手にした桐蔭学園のFL粟飯原謙がゴールに持ち込み勝ち越しとなった。
桐蔭学園はさらに後半6分、切り込んだWTB松田怜大からオフロードパスをもらったLO青木のビッグゲインで敵陣深くに入ると、テンポよく攻め込み、WTB今野がフィニッシュして点差を広げた。
桐蔭学園は波に乗り、PGで加点したあとの18分にはカウンターで敵陣に入ってボールを動かし、ゲインとオフロードの連続、最後はSH伊藤光希がインゴール中央に持ち込んだ。
京都成章は試合終了間際にLO本橋がトライを挙げ意地を見せたが、ノーサイドの笛が鳴って歓喜したのは桐蔭学園だった。
優勝した桐蔭学園の藤原秀之監督はまず、「この大会ができたことがすごいこと。大会の関係者に本当に感謝しています」と語り、新型コロナウイルスの不安のなか、対策を万全にして大会を無事に終えられたことに対してお礼を述べた。
決勝については、「かなり厳しい試合になるのは戦前から予想していた。少しでも、1センチでも前へ出ることをテーマに選手たちは臨み、それができていた。ここまで来ることを想定していなかったので、彼らが本当に努力したんだと思う。日に日に彼らが大きくなっていることを感じたので、もしかしたら決勝戦でもやってくれるんじゃないかという思いはあった」と振り返る。
記念の100回大会は残念ながら無観客での開催となったが、「現地に全員連れてくることはできなかったので、今日も応援歌を映像でもらって、最後にそれをロッカールームで見てきた。それも力になったと思う。学校関係者、保護者、そして学校の生徒も応援してくれたと思うので、本当にそれが我々の力になった」と感謝した。
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