ラグビーリパブリック

やり切った。大体大が全国地区対抗大学大会で優勝

2021.01.06

大体大は一体感ある戦いで頂点に。「みんな気持ちが入っていた」と高永明日海主将。(撮影/松本かおり)


 うれしいよ。
 いつも目指している頂点とは違うけれど、全国大会での優勝だ。
 1月6日にパロマ瑞穂ラグビー場で全国地区対抗大学大会の決勝がおこなわれ、大阪体育大(以下、大体大)が鹿児島大を71-14で破り、頂点に立った。

 キックオフ直後から接点で押し込み、アタックの多彩さでも上回った大体大。前半5分、ターンオーバーからWTB田中晴哉が先制トライを奪うと、前半だけで6トライを奪った。

 後半もさらに5トライを積み上げ、30分過ぎには71-0。
 試合終了間際に2トライを許すも力勝負に終始せず、1年を通して目指したスタイルを貫く意志が見られた。

パワーで上回った大体大。11トライを重ねた。(撮影/松本かおり)

 関西大学Bリーグに所属した2020年度シーズン。コロナ禍の中でも工夫を凝らし、春からAリーグ復帰を目指して準備を重ねた。
 しかし、シーズン開幕前に「入替戦は実施せず」とリーグが決定。目指していたものを突然失った。

 この日の決勝は欠場した高永明日海(準決勝で脳震とう)は、チーム全体で「自分たちにできることを考えた」と話す。
 特に4年生を中心に、昇格はなくとも、戦える一つひとつの試合に全力を尽くす姿を後輩たちに見せようと決めた。

 また、Bリーグ優勝チームは全国地区対抗大会に出る権利も得られると知らされ、「関西Bリーグと地区対抗での優勝を目指そうと決めました」と安藤栄次ヘッドコーチは言う。
「学生とたくさんコミュニケーションをとりました。できるだけ長く、このチームで戦おうと」
 全員で意志を確認し合い、定めたターゲットに届いたから素直にうれしかった。49年ぶり、3度目の出場で忘れられないタイトルを手にした。

 決勝後の表彰が終わると、ピッチの2か所に歓喜の輪ができた。
 大体大も鹿児島大も、混乱する世の中でシーズンを最後まで戦い切って満足感があった。
 みんなの笑顔が西日に照らされ輝いていた。

試合終了間際に2トライと、鹿児島大も最後まで動き続けた。(撮影/松本かおり)
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