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天理が明治を破り決勝進出! 悲願の大学日本一を目指し早稲田と頂上決戦

2021.01.02

攻守にアグレッシブだった天理大。ボールを持つのはアシペリ・モアラ(撮影:松本かおり)


 悲願の大学日本一を目指す関西王者の天理大学が、1月2日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた第57回全国大学ラグビー選手権大会の準決勝で、関東大学対抗戦Aグループ1位の明治大学を41-15で破り、2季ぶり3度目の決勝進出を決めた。
 準決勝もう1試合は早稲田大学が帝京大学を下しており、決勝戦は1月11日に国立競技場でおこなわれる。

■天理大のプレーメーカー、SH藤原忍

 天理は序盤から敵陣深くに入り流れをつかんだ。前半3分、パワフルなCTBシオサイア・フィフィタなどが中央でタテを突いたあと、右にボールを動かし、SO松永拓朗から飛ばしパスをもらったWTB土橋源之助がインゴールに持ち込んだ。

 明治は何度も攻め込みながら、天理の堅い守りに阻まれていたが、24分、テンポのいい連続攻撃からLO高橋広大が力強い走りで敵陣深くに入り、オフロードパスをもらったWTB石川貴大がインゴール右隅に飛び込み、5-5の同点とした。

 しかし、天理は28分にゴールに迫り、HO佐藤康が相手をけん制した直後インゴールに突っ込み、勝ち越しトライを挙げた。SO松永のコンバージョンも成功。
 36分には敵陣深くのスクラムでPKを得ると、SH藤原忍が明治の隙をついてタップから仕掛け、LOアシペリ・モアラがインゴールに突っ込み貴重な追加点となった。

 19-5で折り返した天理は後半も勢いがあり、43分(後半3分)、ターンオーバーから敵陣22メートルラインまで攻め込むと、SO松永がキックして相手に当たり跳ね返ったボールを自ら確保し、タックラーを振り切ってインゴールに持ち込みリードを広げた。
 天理は50分にもゴールに迫ると、FWがピック&ゴーを繰り返し、最後はHO佐藤がインゴールに突っ込んだ。

 26点差をつけられた明治は53分に敵陣深くに入り、FB雲山弘貴がトライを獲得。56分にはWTB石川がタックラーを弾き飛ばしてゴールへ駆け抜け、逆転へ執念を見せた。

 しかし天理は65分、ハーフウェイで、LOモアラがブレイクダウンでからみ、相手の反則を引き出すと、SO松永が約45メートルのPGを決めて大きな3点を追加。19点差とした。

 そして、73分にはCTBフィフィタが中央を突破してWTB土橋のトライを演出し、勝負あった。

 2年前の決勝で苦汁をなめさせられた明治を破り、決勝進出を果たした天理の小松節夫監督は、中継したテレビのインタビューで勝因を訊かれると、「ディフェンスでプレッシャーをかけて、明治さんの強いアタックを止めたこと」と回答。そして、「日本一を目指すなかで、もう1試合できるということが非常にありがたい。いい準備をして決勝戦に臨みたい」とコメントした。

 体を張ってチームをけん引したキャプテンの松岡大和は、明治を倒し「めちゃくちゃ嬉しいです!」と素直に喜び、「天理のラグビー部員全員の勝利だと思っている。この4年間、悔しい思いしかしてなかったので、先輩たちがいままで培ってきたものを無駄にしないで、この試合に向けて全力で部員全員が準備してきた結果だと思う」とコメント。今年は新型コロナウイルスに多くの部員が感染し、一時、活動自粛を余儀なくされるなどつらい時期もあった。決勝へ向け松岡キャプテンは、「応援し、サポートしてくださった方々や、関西のチーム、ともにつらい思いをしてきたメンバーたちの分も背負って、いい準備をして優勝したい」と力強く誓った。

巧みなプレーメイキングで天理大の勝利に貢献したSH藤原忍(撮影:松本かおり)
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