ラグビーリパブリック

ヒガシが筑紫との“福岡対決”を制す 石見智翠館と連覇狙う桐蔭学園も3回戦へ

2020.12.30

福岡県の東福岡(緑)と筑紫が花園で激突し、熱闘(撮影:松本かおり)


 新型コロナウイルスの影響でどのチームも例年のような強化ができなかった今年、合同練習をして切磋琢磨してきた福岡県の東福岡と筑紫は、ともに記念の第100回全国高校ラグビー大会出場を果たし、12月30日、花園で激突。熱い魂をぶつけ合った“福岡対決”は、東福岡が48-5で制した。

 東福岡は前半1分、CTB寺下功起が自陣22メートルライン付近から抜け、落ち着いた走りでそのままゴールへ走り切り先制した。9分にも寺下が中央を破って連続トライ。

 一方の筑紫は、磨いてきたモールは東福岡に押し返され、規律のいいモスグリーン軍団の堅守に対してなかなか得点できずにいたが、前半最後、粘り強い攻めでゴールに迫り、アドバンテージを得ると、SO井上晴貴がディフェンス裏にキックを放ち、ゲームキャプテンのWTB中洲颯太がインゴールぎりぎりでボールを押さえ、トライが認められた。

 それでも、大舞台での経験が豊富な東福岡は14-5で迎えた後半4分、スクラムからのアタックでCTB寺下が抜け、ハットトリックを達成。9分には身長194センチのLO田島貫太郎が巧みなハンドリングと走力を披露し、追加点を挙げた。12分にはCTB寺下の突破からチャンスを広げ、WTB西端玄汰がゴールに持ち込んだ。

 強風のなか、後半は風下で苦しんだ筑紫に対し、東福岡はさらに3トライを追加し、よきライバルとの花園対決を制した。

ボールを展開する石見智翠館のSH久富汐希(撮影:松本かおり)

 その東福岡と3回戦であたることになったのは石見智翠館(島根)だ。2回戦では、初出場の四日市工業(三重/東海ブロック)に63-0で快勝した。

 石見智翠館は、前半3分にラインアウトからモールで押し込み先制。四日市工も序盤にチャンスはあったが得点できなかった。
 粘り強いディフェンスでリズムを整えた石見智翠館は15分、連続攻撃からNO8グアイニ優人のゲインでチャンスとなり、つないでWTB原田光貴がトライゲッターとなった。

 四日市工はCTB和田琉生などが好ディフェンスでチームを鼓舞したが、石見智翠館も堅守で流れを変えさせず、26分にはCTB松元陸からオフロードパスをもらったキャプテンのCTB松本壮馬が自陣深くから大きくゲインし、すばやいリサイクルからWTB松田陸空がインゴールに持ち込んだ。リスタート後にもFWが力走してサポートもよく、アタックを継続してCTB松本がフィニッシュ。

 22-0で折り返した石見智翠館は、後半のキックオフ後まもなく、SOの位置にいたFL古寺直希のブレイクスルーでチャンスとなり、サポートした10番の中山敬太がゴールに走り切った。2分にはLO岡崎慶喜のパワフルランから一気に敵陣深くに入り、テンポよくつないでFB新野翼がフィニッシュ。石見智翠館はその後、5トライを追加し、大勝となった。

FWの推進力を武器とする桐蔭学園(撮影:松本かおり)

 2季連続の日本一を目指す桐蔭学園(神奈川)は、日本航空石川(石川)との2回戦を37-0で制した。

 両チームともディフェンスで奮闘し、桐蔭学園は前半、PG2本による6点のみ。日本航空石川は24分にモールを組んでゴールラインを越えたが、桐蔭学園はグラウンディングを許さなかった。

 6-0で折り返した桐蔭学園は後半5分、敵陣深くに入り、体重130キロのPR田中諒汰が突進して最初のトライを挙げた。11分にはブレイクダウンでターンオーバーしたあとワイドにボールを動かし、鋭いステップの持ち主であるWTB松田怜大がカウンターでディフェンスを切り裂きゴールに持ち込んだ。

 マイペースに勢いが増した桐蔭学園はさらに18分、ラインアウトからのドライビングモールで得点。24分にはLO青木恵斗がハーフウェイから抜けてゴールへ走り切り、29分にはCTB秋濱悠太のトライで日本航空石川の挑戦を退けた。


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