今年度で定年となる竹田寛行監督を花園で胴上げしようと、悲願の日本一を目指す御所実業（奈良）の選手たちが、12月30日におこなわれた第100回全国高校ラグビー大会の2回戦で國學院栃木（栃木）相手に苦しみながらも、12－5で逆転勝ちし、3回戦進出を決めた。
御所実は序盤、二度ゴールラインを越えたが、國學院栃木が懸命のディフェンスでグラウンディングを許さなかった。スクラムは國學院栃木が優勢。徐々にプレッシャーを受けた御所実はミスも出て、強風のなかラインアウトにも苦しんだ。
対する國學院栃木はブレイクダウンでも奮闘し、活気づく。そして前半20分に敵陣深くに入ると、御所実のお株を奪うような力強いドライビングモールでトライを挙げ、先制した。
両チームともディフェンスは粘り強かった。御所実がハーフタイム前の國學院栃木の猛攻に耐えれば、國學院栃木は後半8分にまたもゴールラインを越えられたが御所実にグラウンディングさせなかった。
それでも御所実はスクラムで再開後、NO8蓑洞功志の突進でゴールに迫り、絡もうとする國學院栃木からボールをもぎ取ったWTB須股草太がインゴールに突っ込みトライ。FB日野芳輝のコンバージョンも決まり逆転した。
互いに譲らぬ熱闘は7－5のまま時計が進み、終盤の28分、御所実は敵陣10メートルライン手前から組んだモールで前進し、バックスも加わった青い塊はゴールラインを越えて貴重な追加点を奪った。
リスタート後、御所実はボールキープで時間を使い切り、熱闘はノーサイド。御所実が頂上へ向かってまた一歩前進し、國學院栃木は花園での戦いを終えた。
昨年、花園初出場で初勝利も収めた大分県代表の大分東明が、2回目の大舞台となった第100回全国高校ラグビー大会の2回戦でシード校の目黒学院（東京第1）を25－12で倒し、新たな歴史をつくった。
大分東明は前半9分、ラインアウトからの展開ラグビーで敵陣深くに入り、ボールキープで攻め続け、NO8ブル セコナイアがインゴールに突っ込み先制した。12分には自陣のスクラムからキャプテンのSH宮川博登がサイドアタックで抜け、サポートしたWTB浦川直輝がハーフウェイから独走し、追加点となった。
26分に目黒学院のLO川嶋凌太がゴール前のパワープレーでトライを奪い、3点差に詰められた大分東明だったが、後半4分、敵陣22メートルラインからCTB浦山丈が切り込み、オフロードパスをもらったWTBナコ ジョアぺがフィニッシュして貴重な追加点を獲得。ナコはその5分後にも快足を飛ばして連続トライを挙げ、リードを広げた。
15点差を追う目黒学院は後半19分にLOソロモネ フナキが自陣から抜けてパワフルランで5点を奪い返したが、反撃はここまで。大分東明は終盤にPGで加点し、強豪撃破となった。
オータムチャレンジトーナメントを経ての出場権獲得ながら実力は関東屈指と評判の東海大相模（神奈川）は、12月30日の2回戦で山形中央を50－7で下した。
先制したのは、2日前に16年ぶりの花園勝利を成し遂げていた山形中央だった。ディフェンスの奮闘でリズムをよくし、前半14分、相手が落としたボールを拾ったSO鑓水力暉也がハーフウェイから独走した。
しかし東海大相模は19分、ラインアウトスチールからボールを動かし、WTB有本一空が自陣から走り切って5点を奪い返した。前半最後にはラインアウトからモールで押し切り、逆転した。
10－7で折り返した東海大相模は、後半2分にもドライビングモールで得点に成功。12分にはFB河野吏玖がフィニッシャーとなり、15分にはLO小田勇太がゴールに持ち込み、リードを広げた。
山形中央はこの日、リザーブ1人、計16人の選手登録で挑み徐々に疲れも出始め、終盤にも失点し大差がついたが、すべての力を出し切り、花園での勇敢なチャレンジを終えた。
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