ラグビーファンにお馴染みのスポーツテレビ局「株式会社ジェイ・スポーツ」(J SPORTS)にとっても、史上初の取り組みとなる。
「チームのファンクラブ運営と連動した取り組みは、当社としても初の試みとなります」(ジェイ・スポーツ担当者)
ここでいう「チーム」とは、来年1月16日開幕のトップリーグに所属するNTTコミュニケーションズ シャイニングアークスのこと。
そして「ファンクラブ運営と連動した取り組み」とは、J SPORTSオンデマンドの無料視聴クーポンの配布だ。
通常、J SPORTSオンデマンドでラグビーの試合を視聴するには月1800円(ラグビーパック)を支払う必要がある。
しかしNTTコミュニケーションズはジェイ・スポーツと連動し、チームのファンクラブ会員になると、ファーストステージで2試合分の無料視聴クーポン(NTTコミュニケーションズの試合限定)を受け取ることができるようにした。
「当社サービスをトップリーグの熱烈なファンに実際に体験をしていただくことで、オンデマンドサービスの認知度向上、さらに利用していただいた会員様の行動分析を行うことにより、今後のサービス品質の向上にも繋がると考え、NTTコミュニケーションズ様と協働させていただく運びとなりました」(ジェイ・スポーツ担当者)
きっかけはNTTコミュニケーションズ シャイニングアークス側からのコンタクト。
プロジェクトを主導したのは、早稲田実業-早大-NTTコミュニケーションズでHOとしてプレーした大内和樹・チーム統括補佐だ。
「これまでサポーターズ倶楽部(シャイニングアークスのファンクラブ)の特典というと、観戦チケットを中心とした来場前提型のファンエンゲージメントでした。しかし新型コロナウイルスの感染拡大状況や他スポーツにおける入場者制限など踏まえると、2021年1月に開幕するトップリーグ・シーズンに向けて、新しいファンエンゲージメントへの転換が必要ということで、春から検討を進めてきました」
コロナ禍でトップリーグの2020年シーズンは第7節以降が中止になった。大内チーム統括補佐はその直後から動き出し、夏頃にジェイ・スポーツ側にコンタクト。新たなリレーションを築いた。
「特に注力したのは『新しい観戦スタイルの提案』です。スタジアムに行きたくても行くことができないファンの皆様に、1試合でも多く試合をご覧いただくには、オンライン視聴は欠かすことができないということで、オンデマンドサービスを提供されているジェイ・スポーツ様に協力をお願いいたしました。無理なお願いにもかかわらず柔軟に対応いただき本当に感謝しております」(大内・チーム総括補佐)
今後はファンクラブに入会したJ SPORTSオンデマンド視聴者を集めた観戦イベントも計画しており、ノンメンバーによる解説に加え、飲食物のクーポン提供も検討中だ。
また、ホテルや飲食店などで会員限定優待割引が受けられる特典を準備するなど、新リーグ構想で求められる事業化も見据えている。
未曾有の事態に見舞われても思考停止に陥らず、逆に新しい一歩を踏み出していく。今後もNTTコミュニケーションズとJSPORTSの“次の一手”が気になるところだ。
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