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日本でのプレー「待ちわびていた」。W杯優勝メンバー、フランコ・モスタートが会見

2020.12.23

念願叶って日本でプレー。「安全で素晴らしい国。子どもたち(娘2人)にとってもいい環境」(©Honda HEAT)

「日本に帰って来られて嬉しい気持ちでいっぱいです。私含めて家族も早く日本に帰ってきたいという気持ちがありましたし、日本でプレーできることを待ちわびていました」

 ホンダヒートが12月23日、ワールドカップ2019日本大会(以下、W杯)で優勝したスプリングボクス(南アフリカ代表)の一員である、LOフランコ・モスタートの入団記者会見を開いた。

◆現在30歳。ホンダヒートではFW最年長だ

 モスタートは12月3日に入国、12月18日にチームに合流した。2016年から2シーズン、リコーブラックラムズでプレーしたこともある。ホンダヒートへの加入の決め手は「野心に感銘を受けた」からだ。同じスプリングボクスのLOとしてW杯も一緒に戦ったRG・スナイマンの後押しもあった。スナイマンはホンダに昨季まで3年間所属していた。

「ここで頑張っている人たち全員がプロフェッショナルで、同じゴールに向かっていくところに惹かれました。先週の金曜日に初めて練習に参加しましたが、やはりなんて素晴らしいプレーヤー、人たちなんだろうと思いました。ハードワークするプレーヤー、スタッフがたくさん揃っている。このクラブで長く作り上げてきたところに、私も参加して成功していくビジョンが見えた」

 200㌢、112㌔の体躯ながらも、豊富な運動量を持つ。力強いボールキャリー、激しいブレイクダウンが魅力のプレーヤーだ。

「ラグビーというのは汚れ仕事を求められる。そんなフィールド上で最も激しく、かつハードにプレーするのがロック。(ホンダヒートでは)そのハードワークで貢献したい」

 モスタートはスーパーラグビー、ライオンズでの活躍が認められ、2016年に初キャップを獲得して以来、39キャップを重ねた。2019年W杯にも初戦(対ニュージーランド戦)の先発出場を含む、全7試合に出場。主に後半から登場してチームに活力を与える役割を担い、スプリングボクスの優勝に貢献した。

「ラグビープレーヤーとしてW杯で優勝するというのは一つの夢。その夢が叶いました。また、ラグビーというのは日本の中で決してメジャーなスポーツではないけれど、たくさんの人々がたくさんのチームにこれだけのサポートをしてくれたことに感激しました。南アフリカのファンを温かく迎い入れてくれたことも大変感謝しています」

 入国は当初よりも遅くはなったが、2021年1月16日に開幕するトップリーグ2021に向け、チームとは準備を着々と進めてきた。

「離れたイギリス(昨季までの所属はグロスター)の地に身を置いていたときも、ホンダのコーチ陣の存在は大きかった。リモートではあるけれど、ゲームのビデオや資料をもらいながら、毎週月曜にミーティングをしてきた。チームとも同じ方向を向けている」

 トップリーグ2021には、HOマルコム・マークス(クボタ)、FLクワッガ・スミス(ヤマハ発動機)、WTBマカゾレ・マピンピ(NTTドコモ)、FBウィリー・ルルー(トヨタ自動車)、CTBジェシー・クリエル(キヤノン)といった、W杯を一緒に戦った南ア代表のチームメイトが多くいる。

「スプリングボクスでともに戦ったメンバーと対戦して、勝ちたい。ほかにもインターナショナルのプレーヤーがトップリーグにたくさん来ている。NO8キアランリードやFLマイケル・フーパー(ともにトヨタ自動車、3月6日に対戦予定)との対戦も楽しみにしている」

 前田芳人GMは「チームとしても彼の合流を、首を長くして待っていました。チームとしてはチーム作りが最終段階に入ってきている。モスタートの合流がひとつのスパイスとなって、より一層チーム力を上げていきたい」と話した。

現在30歳。ホンダヒートではFW最年長だ(©Honda HEAT)
ラインアウトでも貢献する。「経験を伝えていきたい」(©Honda HEAT)
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