ラグビーリパブリック

帝京大が2季ぶりに大学選手権ベスト4入り 東海大との接戦を制す

2020.12.19

帝京大(赤)と東海大の準々決勝は互いに譲らぬ接戦となった(撮影:早浪章弘)


 3季ぶりの大学ラグビー日本一を目指す帝京大学が、12月19日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた第57回全国大学選手権大会の準々決勝で東海大学に14-8で競り勝ち、ベスト4入りを決めた。

 今季の関東大学対抗戦Aで4位だった帝京大は、大学選手権は3回戦から出場する予定だったが、対戦するはずだった同志社大が新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)発生で出場を辞退。不戦勝となった帝京大は1週間の再準備を経て関東大学リーグ戦王者の東海大に挑んだ。

 その東海大も、チーム内に多数の新型コロナウイルス感染者が出たことでリーグ戦の最終戦を辞退し、全体練習を再開できたのは1週間前だった。

 試合は東海大がPGで先制。
 帝京大は敵陣に入っても、東海大の堅守になかなか得点できなかった。
 それでも前半38分、帝京大は強みとするスクラムで圧力をかけ、東海大は反則を繰り返し、戸田京介レフリーはペナルティトライを宣告。帝京大が逆転して7-3で折り返した

 後半も互いに譲らない展開となったが、54分(後半14分)、帝京大はボールをつないで敵陣深くに入り、SO高本幹也のランでさらに前進、すばやくリサイクルしてボールを手にしたPR細木康太郎が走って右に攻め込み、巧みなハンドリングでWTB木村朋也につなぎ、貴重な追加点を奪った。

 11点差とされた東海大は66分、ラインアウトからモールでゴールに迫り、ボールを持ち出したHO土一海人がトライ。6点差に詰めた。

 だが、時計は進み、逆転を狙う東海大はラストアタックで11フェイズを重ねたが、帝京大がディフェンスでプレッシャーをかけ、最後は青いジャージーが落球。僅差の熱闘はノーサイドとなった。

 敗れた東海大の木村季由監督は、「帝京の強みであるフィジカルをしっかりディフェンスしてゲームを作っていこうと臨んだ。最後まで自分たちの思いを切らさずできたが、ちょっとしたところでミスがあった。私にとっては特別な思いのあったゲーム。最後まで勇敢に戦った選手を誇りに思う。最後になるのは悔しいが、ラストゲームにふさわしい試合だった」と選手たちの奮闘を称えた。

 一方、勝った帝京大の岩出雅之監督は、「良さもあり、甘いミスもありの一進一退の試合だったが、少ないチャンスを活かしてスコアできた」と試合を振り返る。
 昨年は3回戦敗退で悔しい思いをしたが、そこからチームを再建してベスト4入りとなり、1月2日に秩父宮ラグビー場でおこなわれる準決勝では連覇を狙う早稲田大に挑む。指揮官は「ここから成長して早稲田に挑戦したい」と誓った。

コロナに苦しめられた東海大だったが、最後まで勇敢に戦った(撮影:早浪章弘)
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