関西大学Aリーグ2位チームとして、2大会連続52回目の全国大学ラグビー選手権大会出場を決めていた同志社大学だが、新型コロナウイルス感染症に陽性反応を示した部員が多数確認されたため、12月8日、同大会への出場を辞退すると発表した。
同志社大学ラグビー部の公式サイトによれば、12月8日時点で、部員13名から新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認されたという。現在、濃厚接触者にはPCR検査を実施。現時点で、感染者はいずれも軽症もしくは無症状の状態とのこと。感染拡大防止の観点から、現在、チームとしての活動を中止しており、今後、全部員・スタッフのPCR検査を実施し、所管の保健所の指導に従い、感染者の隔離、関連施設の消毒等の対応をおこなう予定だという。
同志社大学は12月13日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれる3回戦で帝京大学と対戦することになっていた。
日本ラグビー協会は全国大学選手権大会のレギュレーションについて、「大会出場チーム決定後、及び大会期間中において、出場予定チームの関係者に新型コロナウイルス感染者が発生し、選手不足やチームの母体団体の判断等により、チームとしての大会参加が初戦開始前に不可能となった場合、同じリーグの下位チームの繰り上げ出場を検討する」としている。
第57回全国大学選手権大会には、関西大学Aリーグからは3位の京都産業大学まで出場が決まっていて、4位は関西学院大学、5位は立命館大学だった。
同リーグからの下位チーム繰り上げ出場が不可の場合は、同志社大学を不戦敗扱いとし、帝京大学に次戦への出場権が与えられる。
同志社大学ラグビー部の伊藤紀晶ヘッドコーチは、「日本ラグビーフットボール協会をはじめとする関係者の皆様、平素より同志社大学ラグビー部を応援してくださる皆様には多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。選手・スタッフ174名の部員は、これまでとは違う活動を余儀なくされる中、『日本一』を目指して努力してきました。特に4年生のリーダーシップがなくしてここまで活動を続けることは困難であったと思います。大学選手権への出場辞退は非常に残念ではありますが、学生たちはこの試練を必ず乗り越えてくれるものと信じております」とコメントを発表した。
そして、第110代主将である4年生の中尾泰星は、「大学選手権直前にこのようなご報告となり、皆様に多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。この1年間、今まで普通にラグビーをできる環境がどれだけ幸せであるか、どれだけ周りの方々に支えられているかを痛感した1年でした。新型コロナウイルスの影響で活動が制限される中、部員と『日本一』を目標に、与えられた環境と時間で、何ができるかを考え、努力してきました。最後に同志社のジャージを着て試合ができないことが本当に悔しく残念ですが、後輩達がこの悔しさを忘れず頑張ってくれると信じています」と、無念の思いを述べている。