関東大学リーグ戦1部も終盤に差し掛かった。
11月21日は秩父宮ラグビー場で2試合がおこなわれた。第1試合は日大が大東文化大に14トライの猛攻で、88―5と完勝した。
前節で流経大に14―40で敗れ、今季初黒星を喫した日大。
中野克己監督は「もう一度チームをリセットするということで、自分たちの強みを再確認して、流経大戦で出た反省点を改善できるように準備してきました」と話す。
「強い気持ちで臨んだ結果が点数にも表れた」と語ったHO藤村琉士主将は、自分たちの強みをスクラムとディフェンスでのプレッシャーと分析。言葉通り、分厚い守備で相手の攻撃を最小限に抑え、スクラムで相手のペナルティを誘発するなど優位に立った。
「(ここまではスクラムは)押せたり押せなかったりと微妙だったので、セットプレーは意識してきました。(今日は)レフリーとコミュニケーションを取ってペナルティを取れたので良かった。ディフェンスも後半は雑になってしまって課題はあるが、前半からプレッシャーをかけることができた」(藤村主将)
日大は試合開始直後に、WTB水間夢翔がハンドオフで一人を倒して会場を沸かした。先制トライは前半8分。NO8シオネ・ハラシリが抜け出し、最後はSO饒平名悠斗が押し込んだ。
その後も安定したアタックで確実にトライを奪う。オフロードパスも良く通った。外に回せば、FB普久原琉やCTBフレイザー・クワークがラインブレイクを決め、確実にパスをつなぐ。前後半で7トライずつ奪った。
オフロードパスを受け取り、時に放った水間は「自分がオフロードするときは味方が声をかけてサポートしてくれるのでオフロードしやすい状態になっています。抜けてからのサポートをみんなで意識しているのでそこが出せた」と話す。
一方、大東文化大でゲームキャプテンを務めたLO呉山聖道はこう反省する。
「個人のタックルミスが多く、一人目のタックラーで倒しきることができなかった。オフロードされて抜かれた後に捕まえてもインサイドに寄りすぎて大外で抜かれ、簡単にトライを取られてしまった」
大東文化大はアタックの時間が短い中、FB青木拓巳らのラインブレイクでチャンスは作った。「自分たちは、アタックはのびのびしたプレーができて、自信はあった」(呉ゲームキャプテン)。だが、なかなかスコアまで結びつかず。後半34分に交代出場のWTB朝倉健裕がステップで相手を交わして、ようやく生まれた1トライのみで終わった。
大東文化大・日下唯志監督は「東海大戦ではいい試合の入りができていたので、これが80分できればと思っていた。だが、ミスとタックルが重なり、自分たちのペースを掴むことができなかった」と肩を落とした。
これで日大は5勝1敗、大東文化大1勝4敗1分となった。