ラグビーリパブリック

17-12。西陵が8年ぶりに優勝! 名古屋の猛追振り切った。

2020.11.14

攻守でチームを引っ張ったNO8平野叶苑主将(撮影:松村真行)

 第100回全国高校ラグビー大会の愛知県予選の決勝が11月14日、パロマ瑞穂ラグビー場でおこなわれた。

 第2地区の決勝は14時から西陵と名古屋が対戦。

 2019年度の花園予選でも準決勝で対戦した両者。38-19で西陵が勝利していた。

 2012年を最後に花園から遠ざかっていた古豪・西陵。かたや名古屋は初の花園の切符を掴む戦い、そしてリベンジマッチでもあった。

 まさに手に汗握る接戦。前半のリードをなんとか守り切った西陵が17-12で勝利し、8年ぶりの優勝を決めた。

 試合の入り、気を吐いたのは名古屋。激しいブレイクダウンで、ターンオーバーを決める。約5分、敵陣で攻める時間が続いた。

 だが、西陵・NO8平野叶苑(かえん)主将が値千金のジャッカルを決め、流れを引き寄せる。名古屋の度重なる反則で敵陣深くまで入り、最後はピック&ゴーでPR川西隼斗が先制トライを決めた。

 その後、名古屋が幾度となく攻め立て、西陵も突き刺さるタックルで反則を誘うなど応戦したが、ブラインドサイドに抜け出したSH小島拓也の好判断とCTB松井公希の華麗なオフロードパスを受け、WTB山下祐生がトライを決めた(5-7)。

 迫られた西陵だったが、立て直すのが早かった。モールやスクラムで優位に立ち、連続トライを決める。前半終了間際のトライは平野主将が一人でタップから押し込んだものだった。平野主将は「(主将として)アタックではゲインラインを切ることを意識していました。前半はボールをもらって前に出られました」と話す。

 17-5で迎えた後半。一進一退の攻防で何度も攻守が入れ替わった。

 名古屋は展開ラグビーを仕掛けてゲインしていくが、あと一歩のところでノックオンやノットリリースザボールの反則を取られてしまう。西陵も好タックルでターンオーバーするも、ラインアウトでノットストレートが重なり、流れを変えられなかった。

 ようやく点が動いたのが20分。名古屋が中央のスクラムを起点に、最後はCTB坂口輝が内に切って相手を交わし、ポール下に飛び込んだ。コンバージョンも決まり12-17。

 1トライで同点、1ゴールで逆転となるスコアに名古屋は俄然勢いづく。大外に追い込んでジャッカルを決めて、攻撃に移ればFWとBKが一体となって展開に展開を重ね攻め続けた。

 ただ西陵もよく粘った。大外に走る相手に対し26分、SO池田悠太がタッチに出す好タックルが決まり、ついに西陵が逃げ切った。

 平野主将はこう振り返る。

「後半入った時に点差があることで守りに入ってしまっていた。トライを取られたときに攻めようと声をかけました。結果的に攻めることはできなかったけど、その意識があったから最後守り切れた」

 お互いに死力を尽くした60分。

 決勝は保護者の一部のみが観戦を許された。最後まで応援する姿、そして試合後子どもたちと同じように喜び、涙する姿があった。

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