関西大学Aリーグは11月7日に天理親里ラグビー場で開幕。初日はOddリーグ(昨年度奇数順位)2試合が行われた。
第1試合、勝利の雄たけびをあげたのは関西学大。近大優位とみられたFW戦で、魚谷勇波、冨岡青の両FLが激しいタックルとターンオーバーを連発。ディフェンスから徐々にリズムをつかみ、波に乗った。
近大が強みとしていたスクラムでも123㌔の右PR小寺晴大が重しとなり、相手に勢いを出させなかった。
前半を13−7と6点リードで折り返し。後半30分には21−14と近大に7点差に追い上げられたが、ロスタイムにFB奥谷友規がダメ押しトライを挙げ、28−14で逃げ切った。
関西学大は大学側のコロナウイルス感染防止対策で、全員揃っての練習時間が限られていたが、そのハンディを跳ね返した。
就任1年目の小樋山監督は「練習から“入りがすべて”と言い続けた。選手たちが集中力高く乗り切ってくれた」とたたえた。
近大の中島茂総監督は「前半は六分四分(で勝っていた)が、ハンドリングエラーとペナルティを繰り返して、チャンスを逸した。それに尽きる」と肩を落とした。
2試合目は地元・天理大が登場。松岡大和主将が交流戦の摂南大戦で負傷し欠場、副将のシオサイア・フィフィタがゲームキャプテンを務めた。
先制トライは開始2分、そのフィフィタがキックパスを抑えたものだが、その後は摂南大のフィジカルの強さに手を焼き、スコアは積み上げられず。19−0で折り返した。
天理らしいリズムが戻ったのは後半10分過ぎ。「前半は寄るスピードが遅れた。後半は修正してしっかりと当てられていいアタックにつながった」(プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたLO中鹿駿)。後半は7トライを決め、64−0で大勝した。
前半、攻撃が滑らかでない時間帯もあったが、小松節夫監督は「交流戦でなかなか調子が上がらなかった。リーグ戦には不安もあった」。クラスターで練習ができなかった時期を乗り越え、完封勝利したことに安堵した。
今春就任した摂南大の瀬川智広監督は「前半15分過ぎからは粘り強いディフェンスが出来た。一部分だけでも手ごたえがつかめたのは成長している証」と、王者を苦しめた時間帯を評価した。