ラグビーリパブリック

13点差をひっくり返すロスタイムの逆転劇。対抗戦初勝利は日体に軍配

2020.11.02

ロスタイムにサヨナラトライを決めたWTBクリスチャン・ラウイ。この日は3トライの大暴れ(撮影:髙塩隆)

 関東大学対抗戦開幕から3連敗で、11月1日の第4節を迎えた日体大と青学大。対抗戦チームは今季、全国大学選手権に5位まで出場することができる。ここで是が非でも勝利を掴み、選手権出場への足掛かりにしたい両校の思いが、集中力の高いゲームを生んだ。

 青学大グラウンドでおこなわれた88分の熱戦は、ラストワンプレーで勝負が決まった。25-26で迎えたロスタイムに日体大WTBクリスチャン・ラウイが逆転トライ。最後に走り勝った日体大が32-26で貴重な一勝を手にした。

 試合の入りの悪さが課題だった日体大だが、この日は先制PGに加え、ライン際でラウイがハンドオフで相手を交わしトライを決めるなど、幸先いいスタート。NO8に入ったハラトア・ヴァイレアのロングキックも効き、前半はほとんどの時間を敵陣で過ごした。

 だが幾度もあったチャンスを青学大は堅いディフェンスで阻む。逆に青学大は敵陣に入れた少ないチャンスをものにして食い下がった。13-12で迎えた前半終了間際には、自陣で相手がこぼしたボールをSO桑田宗一郎がすかさずキックで飛ばすと、SH山同光がもう一度蹴って、走り切りついに逆転トライを奪う。

「(相手にアタックの時間を)長くとられたが、ディフェンスで止め切れば必ずチャンスはある、ということを常に練習の中で意識をしてきた。そこが出せた」と青学大・大友孝芳監督は振り返る。

 一方、13-19で折り返した日体大LO玉置将也主将は「取り切りたいところで取り切れず、焦りが出てしまった」と反省。「慌てず、地道に自分たちのラグビーをしよう」と声をかけた。

 ただ後半立ち上がりにスコアしたのは青学大。こぼれ球を拾った桑田のオフロードパスに反応したPR髙山偉壮が一気に抜け出し、20㍍以上の距離を走り切った。26-13。この日最大の点差がつく。

 その後は一進一退の攻防も、日体大が留学生選手の働きでじわじわと差を詰め、2トライを返した。そして25-26で迎えたロスタイムは日体大が自陣から展開に展開を重ね、約5分間途切れることなく攻めた。フェイズは20を越え、最後はラウイが突破。

 日体大・田沼広之監督は「(青学大戦までの)2週間は日体大の走り勝つランニングラグビーが見せられるように、厳しいトレーニングを積んできた。その成果が出ました」と話した。

 一方、青学大は終盤、選手の多くが足をつっていた。それでもFL中谷玲於の出足の速い強烈タックルをはじめ、粘り強い守りを見せた。大友監督は「留学生選手をしっかり止めることをポイントにしてきたが、最後はやられてしまった」と悔やむ。

「自分たちがマイボールを継続できないところが一番の課題。結果、ディフェンスの時間が長くなり、ずっと劣勢の状況でした」と主将のCTB西野稜祐は振り返った。

 次週、日体大は中5日で明大、青学大は中6日で慶大に挑む。

前節の帝京大戦は欠場もスタメンに復帰した中谷。大友監督は「彼のタックルはチームにとって必要な武器」と評価する(撮影:髙塩隆)
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