92回目の定期戦。
立教大学の福田明久監督は、10月11日におこなわれた2020年度シーズン第2戦、早稲田大学との一戦をそう表現した。
昨季まで早大と91戦、5勝85敗1引き分け。歴史のあるチームだ。選手たちは、強い気持ちを込めて早大・上井草グラウンドに立った。
5シーズンぶりに関東大学対抗戦Aの舞台で戦っている濃紺のジャージーは、昨季大学日本一の早大に7−46と敗れた。
しかし福田監督は、「立教らしい、勇敢でひたむきなプレーをみせてくれた。点差は開いたが最後まで勇敢だった」と話し、「選手たちに、ありがとうと言いたい」と、ファイティングポーズを80分間崩さなかったことを評価した。
SO岡本力哉がキックをあげ、好プレッシャーから何度もチャンスをつかんだ。
チーム内マン・オブ・ザ・マッチに選ばれたFB小林将也は積極的に走り、赤黒ディフェンスを突破。相手陣に攻め入ることも少なくなかった。
ただ、もう一歩のところでターンオーバーを許す。ペナルティを取られてボールを失う。地道に積み上げてきた一つひとつのプレーは通用するも、その継続や、得点に結びつけることができないところに、昨季までのステージと対抗戦Aの違いがある。
奪ったトライは、後半5分にWTB青木天真が奪ったものだけに終わった。SH北山翔大主将は「ブレイクダウンで押し負け(自分たちの)テンポを出せなかった」と話した。
早大は前週の青山学院大学戦時の先発から8人を代えてキックオフに臨んだ。
先制したのは前半5分。敵陣の深い位置で得たPK機にSH河村謙尚が速攻を仕掛け、LO桑田陽介がインゴールに入った。
同22分には自陣ゴール前のスクラムを押してNO8丸尾崇真主将が前進。FL相良昌彦につなぐと、ボールを受けた背番号6は大きく前進し、立大ゴール前へキックを転がす。それをFB小泉怜史がインゴールで押さえて追加点を挙げた。
しかし前半は24-0。思うようにはトライラインに届かなかった。
後半に入り、相手反則→キックで前進→モールで仕留めるパターンが機能して着々とスコアするも、丸尾主将が「(選手たちは)前週の試合と比べたら硬さも取れ、リラックスして試合に臨めたが、ディフェンス、アタックとも仕留め切れていない」と話すように、課題を残す内容となった。
同主将はマン・オブ・ザ・マッチに選ばれるも、「もう少し外でボールをもらえたらよかった。タックルもいくつか外された」と厳しい目を自身に向けた。
相良南海夫監督は、「先週は受けに回ったので、きょうは自分たちから仕掛けようと言っていた。そこはやれていた」と評価するも、「立教の出足の良さにミスも出た」。
次戦の日体大戦(10月18日/熊谷)に向け、「一つひとつのプレーの精度を上げ、今週より成長した姿をゲームで出してほしい」と話した。