ラグビーリパブリック

桜のジャージーがプロ野球始球式に。女子日本代表・佐藤優奈、投げた!

2020.10.11

渾身の一球を投じる佐藤優奈。(撮影/松本かおり)

挨拶で女子ラグビーの存在をアピールした鈴木実沙紀。(撮影/松本かおり)
スタジアム前のステージでおこなわれたトークショーにも登場。(撮影/松本かおり)
多くのファンが青南商事のラグビーブースを楽しんだ。(撮影/松本かおり)

 右腕から放たれたボールは大きく弧を描き、やや右に逸れるも、ワンバウンドで東北楽天イーグルスの捕手、足立祐一へ届いた。

 10月10日、雨の降る仙台・楽天生命パークでおこなわれた東北楽天イーグルス×埼玉西武ライオンズの始球式に、女子15人制日本代表(サクラフィフティーン)の佐藤優奈が登場した(試合は3回終了後、降雨ノーゲームに)。
 同代表だけでなく、東京山九フェニックスでもともにプレーする鈴木実沙紀も試合前にグラウンドで観客に向けて挨拶し、女子ラグビーの存在を野球ファンにアピールした。

 セブンズも含め、女子日本代表のオフィシャルスポンサーである青南商事は、毎年、東北楽天イーグルスのホームゲームで「SEINANデー」を実施し、女子ラグビー選手を始球式に招いている。
 今回マウンドに立った佐藤は昨年11月のヨーロッパ遠征で初めてサクラフィフティーンのキャップを得た。まだ慶大4年で170センチと将来性もあるLOは、「マウンドに立ったときは最高に緊張しました」と振り返った。
「キャッチャーしか見えませんでした! なので、とにかく思い切り投げました」
 地元・宮城、古川の出身。家族もスタジアムに駆けつけ、「本当に貴重な機会」と夢心地の一日を楽しんだ。

 慶大ラグビー部出身でイーグルスの球団社長を務める立花陽三氏との対面に始まり、イベント会場でのトークショー出演、FMラジオ出演と、佐藤とコンビを組んで試合前の時間を忙しく過ごした鈴木は、試合前、「私たちは来年ニュージーランドで開催されるワールドカップに向けて活動をしています」と、多くのファンに向けて堂々と挨拶をした。
 9月に半年ぶりの合宿を実施できた喜びも伝え、「コロナウイルスの影響で制限のある生活が続いていますが、スポーツの力で(世の中を)元気にしたい。皆さん、一緒に頑張りましょう」と呼びかけ、大きな拍手を受けた。

 大役を終えた後のふたりは、華やかなプロ野球の雰囲気をスタンドから観戦し、楽しんだ。
 背中に自身のネームが入った特注のユニフォームを着たこの一日の経験は、これからの活動のエナジーのひとつとなるだろう。


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