お互いの強みである、もしくは強みとしたい「ブレイクダウン」での攻防が勝負の分かれ目となった。
関東大学対抗戦の第2節、帝京大対筑波大の試合が東京都日野市は帝京大学グラウンドでおこなわれ、帝京大が54-17と圧倒した。これで開幕2連勝。ボーナスポイントも獲得し、勝ち点を10とした。
先制したのは筑波大。昨季の対抗戦でロスタイムに逆転負けを許した相手に対し(22-24)、気持ちが入っていた。接点では相手を後退させるタックルを連発。そして相手の反則が重なったところを見逃さず、前半7分に敵陣深くのラインアウトからモールで押し込んだ。
だが、帝京は直後に反撃に出る。筑波大がリスタートのキック処理を誤ると、そこから局地戦に持ち込んだ。最後は前節で3トライを挙げたHO江良颯がインゴールに飛び込みトライ。
その後は互いに攻めるもトライには結びつかず。均衡を破ったのは筑波大だった。26分、自陣深くの相手ラインアウトでボールを奪取すると、インゴールからSO山田雅也がショートパントでふわりと浮かせ、これをWTB仁熊秀斗が確保。サポートしていたCTB岡﨑航大、SH鈴村淳史とつなぎ、鈴村が一気に左奥まで走り切った。
しかし帝京はまたも直後に返す。ラインアウトのアタックから江良がディフェンスの間を抜き、素早くBKに展開。最後はCTB押川敦治がトライを決めた。その直後に筑波がPGを決めるが、波に乗らせなかった。相手のブレイクダウンでの反則を起点に、ラインアウトからモールの横を江良が防御2人を交わして押し込む。その3分後にも同様にモールでトライを重ね、28-17で折り返した。
後半も帝京の勢いは止まらず2分にはSO高本幹也が中央でゲインラインを切ると、走り込んでいたWTB木村朋也に渡りトライ。後半は、少しずつブレイクダウンでほころびが見え始めた筑波が完全に押し込まれる形となった。
帝京はブレイクダウン、そしてここまでプレッシャーをかけられていたラインアウトでも優位に立った。その後、筑波も気迫のこもったタックルで応戦する一方、反則が重なってしまい、ついに流れを変えることができなかった。帝京が一方的にスコアを重ね、ディフェンスではノートライに抑えてノーサイド。
お互い、ブレイクダウンに主眼を置いて戦ったゲームだった。筑波大の嶋﨑達也監督は「セットプレーとコンタクトの部分にフォーカスしてきました。(帝京大のような)重いFWと体を合わせるのは今季初めて。実際に戦ってみて、思った以上にプレッシャーを感じたし、そこでペナルティーになってしまった」と反省を口にした。
一方の帝京大も筑波大のコンタクトには警戒していた。岩出雅之監督は「勢いを持ったチームだったが、受けないで挑戦することができました。例年受け身になると難しい相手。ゲーム内容としては成長を感じるゲームでした」と語った。