新型コロナウイルス感染拡大のため1年間延期となった東京オリンピック。
アジア代表として7人制ラグビーの出場権を勝ち取った韓国男子代表は、韓国内での厳しい規制を受けて練習で集まることもできず強化に不安を抱えている。
梁永勲(ヤン・ヨンフン。元ホンダヒートSH)代表コーチに聞いた。
――韓国男子代表の現状は?
「まだ全員を集めての練習も再開できない状況です。韓国では10人以上集まることが社会的に規制されていてラグビーも例外ではありません。オリンピックに出場する選手がトレーニングをおこなう鎮川(ジンチョン)選手村も閉じています。個人競技は自分で練習できますが、団体競技はみんな同じような環境です」
――代表選手たちへ指示を出していますか?
「ウエートトレーニングやフィットネスなどの練習スケジュールを渡しています。選手は所属チーム(社会人:韓国電力、ポスコ建設、現代グロービス、軍体育部隊が主力)で練習に励んでいます。朴玩龍(パク・ワンヨン、2019年代表キャプテン)とは時々、連絡をとり状況を確認しています。日野から現代へ戻って来た鄭演植(チョン・ヨンシク)もチームで取り組んでいます」
――練習再開はいつごろになりますか?
「今は、わからないという状況です」
――韓国では秋の全国体育大会(国体。15人制)や伝統の一戦、延世大・高麗大定期戦も中止になりました。11月に7人制大会が開催されるという話がありますね?
「11月に大会が予定されています。大会は社会人チームも参加します。開催されて代表選手たちが試合を経験できればいいのですが」
――この大会に代表選手たちがチームを作り参加することは?
「所属チームから出ることになります」
――きょう10月8日から日韓間でビジネスなどの往来規制が緩和されました。韓国代表が日本など海外に遠征し強化することは?
「韓国では、海外に出て戻った際の国内対応に苦慮することがあります。大韓体育協会も認めない可能性があります。最初に国内で練習を始めてから実施できれば」
2019年11月24日、韓国がオリンピック切符をつかんでからもうすぐ1年になる。この間、代表は2月に、HSBCワールドセブンズシリーズのロサンゼルス大会へ出場した。最下位16位で終えている。オリンピックへ向けた強化、大韓ラグビー協会の積極的な関与、指導力が問われている。