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NTTコム退団のアイザック・ロスがタスマンに加入 9年ぶりに母国NZでプレーへ

2020.10.07

NTTコムで仲間に慕われ、多くのファンに愛されたアイザック・ロス(Photo: Getty Images)


 9年在籍したNTTコミュニケーションズシャイニングアークスを今年退団し、ニュージーランドに帰国していた元同国代表“オールブラックス”ロックのアイザック・ロスが、タスマン・マコに入団することが10月6日に発表された。今月中に36歳となるロスが母国でプレーするのは、スーパーラグビーのチーフスに在籍していた2011年以来(国内大会参戦は10年ぶり)。すでに開幕しているマイター10カップに挑み、連覇を目指すタスマンの戦力となる。

 タスマンのFW2列は、今年オールブラックスに初選出されたクインテン・ストレンジや同じく若手有望株のパリパリ・パーキンソンが負傷でプレーできず、バックアップオプションだった複数の選手もけがで苦しんでいるため、経験豊富なロスにSOSの声がかかった。

 身長201センチ、体重116キロのロスは、2009年にオールブラックス入りして8キャップを獲得。2011年に来日してNTTコミュニケーションズの一員となり、ジャパンラグビートップリーグでは通算89試合に出場、「シャイニングアークスの頭脳」と呼ばれた。
 そして、9年在籍したシャイニングアークスを退団する際にはこうコメントしていた。

「いま思い返してみると信じられませんが、ニュージーランドを離れる前、当初はラグビーをあきらめようかとも考えていました。全て投げ捨てて新しいことを始める心構えでした。しかしこのチームでプレーする機会が自分に新しい命を吹き込みました。こんなに長くプレーし続けることができたのはフィールド内だけでなくフィールド外でも楽しくラグビーをできるようにサポートしていただいたファンの皆さまと会社のおかげです。試合後、ゲームの良し悪しに関わらずファンの皆さまは応援、励まし、尊敬の意を込めた笑顔で迎えてくださりました。そのおかげで私は自信とラグビーを愛する気持ちを保つことができました。とても感謝しています。長年にわたって新加入のチームメイトや退団する人々をみてきたため、映画『グリーンマイル』のトム・ハンクスのような気持ちでした。私の選手としてのキャリアはまだ終わってはいませんが、私のNTTコミュニケーションズでのセンパイとしての時間は幕を閉じ、また他の誰かと新しいコロ(マオリ語でおじいさんの意)として立ち上がります。また新たな始まりと冒険を追い求める時が来ました」

 ロスが加入するタスマンは、今季マイター10カップで全10節中4節を終えた時点で3勝1敗、プレミアシップ・ディビジョン(1部リーグ)の首位を走っている。

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