最終スコアは52-24。昨シーズンの関東大学リーグ戦を制した東海大が、3季ぶりに1部復帰となった関東学院大を大差で破った。
すべてのチームが不安を抱えるシーズン初戦。しかしそれは、挑戦者にとって、王者を慌てさせる状況のひとつだ。
実際、関東学院大はCTB芳崎風太のPGで先制。その後、2つのトライで逆転されるも(3-14)、FWが踏ん張ってみせた。
しばらく拮抗した展開が続いた後、ゲームが動いたのは前半30分過ぎだった。
スクラムの優勢を活かして攻め込むと、35分、HO岡輝剛がトライを決める。コンバージョンキックも決まり、スコアは10-14となった。WTB萬田開人主将も「試合の入りは良かった」と振り返る内容だった(前半終了時は10-21)。
ただ、王者は落ち着いていた。後半の立ち上がりに集中力を発揮。いっきに勝負を決めてみせた。
2分、左ラインアウトから展開し、振り戻しのアタックで鋭く前へ出る。最後は1年生のWTBポロメア・カタがインゴールに入る。その4分後には互いが蹴り合う中、キックチャージからPR前田翔がトライを奪った。
直後のキックオフボールからの攻撃でもそのまま走り切って追加点(PR徳田悠人)。後半9分で得点差を30点(40-10)とし、勝利を決定づけた。
関東学院大はボールを持つと強みを見せるも、ディフェンスに淡白なところが多く、それが大量失点の原因となった。
東海大は特に後半、その隙を突いた。SO丸山凜太朗が積極的に仕掛け、LOワイサケ・ララトゥブア(この試合のマン・オブ・ザ・マッチ)やCTB杉浦拓実、WTBカタらがパンチのあるプレーを見せた。
木村季由監督は勝利を振り返り、「開幕戦、そして実戦経験の少ない中でこの試合を迎えたので、難しいことをせず、シンプルにゲームを組み立てた。どれだけ激しくやるかが大事だった」。その点では合格点の今季初戦だった。
しかし、「ペナルティで自分たちのリズムを崩した」点を反省し、「(コロナ禍もあり)今季は試合で成長していくしかない」と話した。