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関西大学Aリーグは変則方式で11月7日から短期開催! 不成立の方針から一変、公式戦扱いに

2020.09.25

会見に出席した関西ラグビー協会の萩本光威会長(左)と関西大学リーグの中尾晃委員長


 関西ラグビー協会は9月24日、理事会終了後にオンライン記者会見を開き、今年度の関西大学Aリーグの日程を発表した。11月7日に奈良県の天理親里競技場にて開幕。新型コロナウイルス感染拡大の影響により一部大学で準備が遅れており、例年のような8チームによる総当たり方式ではなく、昨シーズンの順位を基に4チームずつの2組に分けて各リーグを戦い、その後、順位決定戦をおこなうという変則方式になった。1チームあたり4試合を戦う。

 9月上旬には、今年度のAリーグは中止(不成立)にする方針が固まったとされていたが、状況が変わり、なんとか違った形でリーグを開催できないかと何度も議論が重ねられ、24日の理事会で公式戦扱いにすることが正式に決まった。
(※ 9月25日発売のラグビーマガジン11月号では、記事締め切りの関係で「関西大学Aリーグを中止(不成立)にする方針を固める」となっている)

 関西協会は当初、2020年シーズンの関西大学Aリーグ開幕を10月10日に予定し、8チームの総当たり戦を全7節で実施するつもりだった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、一部の大学で日本ラグビー協会の定める「ラグビートレーニング再開のガイドライン」に則った活動の再開が間に合わず、選手の安全を守る観点で当初予定していた時期の開幕までに準備ができないと判断。

 関西大学リーグの中尾晃委員長は会見で次のように説明した。

「新型コロナウイルスをめぐる各大学の状況を調査した結果、大学から活動停止の通達があって練習できていないチームがあり、コンタクト練習がまだできていない、また感染者が出て活動できていない、という声がAリーグからBリーグまで複数存在した。そういった状況から、今シーズンに関しては大会方式または試合日程などの見直しが必要になった」

 Aリーグに関しては、天理大と関西学院大が10月10日には間に合わないという状況で、天理大は9月10日から全体練習を再開したものの、関西学院大は(9月24日時点で)まだコンタクトを含めた練習の再開に至っていない。

 しかし、全国大学選手権大会は例年通り開催予定であり、関西からは3校の出場枠があるために、遅くとも12月6日までにはその3校を決定しなければならず、開幕を4週間遅らせ、ギリギリのスケジュールになった。

 関西学院大については、11月7日の開幕に間に合う目途は立っているのかという記者からの質問もあったが、中尾委員長は「現在の段階で全体練習はまだできていないが、全体を2つに分けて、それぞれ練習することが可能になっていると聞いている」と返答。
 関西学院大は活動停止になる前、日本協会作成のガイドラインのレベルでは、5.2(10名以下の規模でグループ単位、用具を使った1人のコンタクト練習が可能)~5.3(20名以下の規模で、個人単位は1対1の対人コンタクトが可能。グループ単位では、小人数のユニットプレー=3人スクラム、2人ラインアウト、3人までのラック・モールが可能)くらいのレベルだったとのことで、「これらの状況を考えると、これから6週間の期間があれば、11月7日からのシーズンには間に合うのではないかと、いまのところはそう思っている」と中尾委員長は言った。

 10月10日から25日までは交流戦を実施する予定で、それには関西学院大は参加できない可能性があり、公平性に欠けるという指摘もあるが、会見に出席した関西ラグビー協会の萩本光威会長は、「今年度はコロナの影響もあって、特別な年だと思っている。大学委員会の皆さんは学生たちに試合をさせる場を与えたいと考え、柔軟に対応していかないといけないということで議論を重ね、各大学が納得したということ」と答えた。

関西大学Aリーグで5連覇を狙う天理大のシオサイア・フィフィタ(撮影:早浪章弘)

 さまざまな話し合いの末、今年度の関西大学Aリーグは11月7日に開幕することが正式決定。例年のような8チームによる総当たり方式ではなく、変則的な方式で開催することになった。
 昨シーズンの順位を基に4チームずつの2組に分かれてリーグ戦をおこない、それぞれ1位から4位までの順位をつけて、最終節で同順位チーム同士が対戦し、最終的なリーグ順位を決める。

 リーグ分けは、昨季1位の天理大、3位の関西学院大、5位の近畿大、7位の摂南大がOdd(奇数)リーグ。昨季2位の同志社大、4位の京都産業大、6位の立命館大、そして入替戦を制しBリーグから昇格した関西大がEven(偶数)リーグとなる。

「変則的なリーグ戦となるが、活動再開から準備期間が確保され、また選手の体調管理面でも問題ないと考えている」(中尾委員長)

 万が一、新規感染者が出て11月7日の開幕が難しいとなった場合、延期するのか、中止にするのかなど、具体的なことはまだ決まっていない。もしリーグ戦が不成立となった場合、大学選手権の出場チームに関しては日本協会と相談する形になるという。

 観客を入れての開催にするかどうかは、現在、検討中。新型コロナウイルス感染症の感染者数の推移を見極めながら、開催地の自治体や府県ラグビー協会などの意向も確認した上で、慎重に判断する予定。

 なお、入替戦については、AリーグからDリーグすべてのリーグでおこなわないことになった。中尾委員長はいろいろな議論があったことを認めたが、「最終的にはリーグ委員会のなかで皆さんに承認していただいた」。

 最後に、新型コロナウイルスをめぐり偏見や差別を生まないために、関西ラグビー協会からのお願いとして、萩本会長が次のようにコメントし会見を締めくくった。
「まず、最前線で未知のウイルスに立ち向かっておられる医療従事者の皆様、関係者の皆様に心から敬意と感謝を表します。新型コロナウイルスは誰もがかかる可能性があり、本人に罪があるわけではありません。誤った情報や認識に基づく不当な差別、偏見、いじめ等は絶対におこなわないでください。苦しいときこそお互いを思いやりながら、励まし、元気になって戻ってきたときには、温かく迎えていただきますよう、ご協力をお願い申し上げます」

<2020 ムロオ 関西大学ラグビーAリーグ>

【第1節】
■11月7日(土)
12:00 近畿大 vs 関西学院大 (奈良・天理親里競技場) Oddリーグ
14:00 天理大 vs 摂南大 (奈良・天理親里競技場) Oddリーグ

■11月8日(日)
12:00 京都産業大 vs 立命館大 (大阪・鶴見緑地球技場) Evenリーグ
14:00 関西大 vs 同志社大 (大阪・鶴見緑地球技場) Evenリーグ

【第2節】
■11月15日(日)
12:00 京都産業大 vs 関西大 (京都・宝が池公園球技場) Evenリーグ
14:00 同志社大 vs 立命館大 (京都・宝が池公園球技場) Evenリーグ

12:00 関西学院大 vs 摂南大 (兵庫・神戸ユニバー記念競技場) Oddリーグ
14:00 天理大 vs 近畿大 (兵庫・神戸ユニバー記念競技場) Oddリーグ

【第3節】
■11月21日(土)
11:00 立命館大 vs 関西大 (滋賀・布引グリーンスタジアム) Evenリーグ
13:00 同志社大 vs 京都産業大 (滋賀・布引グリーンスタジアム) Evenリーグ

■11月22日(日)
12:00 摂南大 vs 近畿大 (兵庫・神戸ユニバー記念競技場) Oddリーグ
14:00 関西学院大 vs 天理大 (兵庫・神戸ユニバー記念競技場) Oddリーグ

【最終節/3位・4位決定戦】
■11月29日(日)
12:00 Odd 2位 vs Even 2位 (京都・宝が池公園球技場)

【最終節/1位・2位決定戦】
■11月29日(日)
14:00 Odd 1位 vs Even 1位 (京都・宝が池公園球技場)

【最終節/7位・8位決定戦】
■12月6日(日)
12:00 Odd 4位 vs Even 4位 (京都・宝が池公園球技場)

【最終節/5位・6位決定戦】
■12月6日(日)
14:00 Odd 3位 vs Even 3位 (京都・宝が池公園球技場)