ラグビーリパブリック

強みをもっと。香川メレ優愛ハヴィリ、五輪を見据え世界規格へ。

2020.09.24

アルカス熊谷所属。170センチ、71キロ



 もうすぐ19歳(2001年9月29日生まれ)。春に熊谷女子高校を卒業し、早稲田大学スポーツ科学部へ入学した。
 目下の悩みは、コロナ禍の影響で、憧れていたキャンパスライフを送れていないこと。オンラインの世界から飛び出して、はやく新しい友だちを作り、会いたい、いろんな話しをしたい。

 来年夏の開催が予定される東京五輪でのメダル獲得を目指す女子セブンズ日本代表候補が熊谷で合宿をおこなっている(9月23日〜27日)。
 そこに参加している香川メレ優愛ハヴィリが9月24日にオンラインで取材に応じた。

 ウイルス感染拡大防止を念頭に、個人レベルでのトレーニング期間が長く続いた。それだけに、仲間たちと練習に取り組める環境が戻りつつあるいま、「あらためて、みんなでチャレンジできることが嬉しい」と喜びを口にする。
 この合宿ではハンドダミーへのコンタクト練習などもおこなわれそうだ。

 個人トレーニング期間にダンベルを買い込み、家の近くを走り回ったのは、自身の強みをさらに伸ばし、課題を克服するためだった。
 サクラセブンズの一員としてワールドラグビー・セブンズシリーズに参加して得た体感は、「自分のボールキャリーは通用する」。だから、もっと筋力を高め、パワーをつけようと思った。

 その一方で国際舞台でのパフォーマンスを映像で見返したとき、目線を世界のスタンダードに合わせると、自分のプレーを物足りなく感じた。
「運動量が少なく感じました。強みをもっと何回も出せるようにしたいし、もっとパワーもほしいので、自分でやれるフィットネストレーニングに取り組みました」

 この夏に立つつもりだった大舞台が1年延期と決まった時は戸惑った。
 しかし、同学年の松田凜日(日体大1年)とともにチーム最年少。周囲と比べたら足りない経験値をこの1年で高められたら、もっと良い選手になれる。気持ちをそう切り替えて前を向いた。

 2016年のリオ五輪の記憶がある。
 その頃の自分はまだアカデミー生で、サクラセブンズの選手たちと直接関わることはなかった。
 でも日本を背負ってブラジルへ向かった選手たちが、どれだけの練習をして、どんなに苦しい道を歩んでいたか知っていた。
「それなのに、あれだけのことをやって臨んだチームが勝てなかった。衝撃でした。日本代表になりたいけど、(実現するには)過酷な道のりが待っているんだな、と思いました」と振り返る。

 トンガ人の父と日本人の母の間に生まれ、浦和ラグビースクールで楕円球を追い始めたアスリートは、ハタチになる前に来夏の大舞台を迎える。
 2024年のパリ五輪だって当然視野に入るが、まずは東京で大きな足跡を残す覚悟だ。「(サクラセブンズを)世界で通用するチームにしたい」意志を強く示したい。