ラグビーリパブリック

エイトネーションズ参戦断念の日本代表、次の手は?

2020.08.29

日本代表をさらに進化させたいジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ。(撮影/松本かおり)



 世界を熱狂させたあの勇姿を再び見られる日は、またも遠くへいった。
 夢のような大会への参戦は、結局正式な参加意思も示されないまま消え去った。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、大きく書き換えられた今年10月、11月の国際ラグビーカレンダー。日本代表は、もともと11月14日にスコットランド 、同21日にアイルランドとの対戦が予定されていたが、それらはキャンセルとなった。
 6月、7月に予定されていたウエールズ、イングランドの来日も実現しなかったから、日本のラグビーファンは、昨年のワールドカップ準々決勝以来、代表チームの姿を見ていない。

 予定されていた欧州ツアーがなくなった代わり、11月14日から12月5日にシックスネーションズ+招待チーム(2チーム予定)という臨時の国際大会構想が実現に向けて準備が進められ、サクラのジャージーもそこに加わる可能性があった。
 しかし、日本協会は水面下で進められていた同大会への参加も難しいと判断し、代表活動の再調整に入った。

「エイトネーションズ」の通称で開催が待たれていた大会に向け、日本協会は準備を進めていた。参戦が決まれば、すでに選出していた代表候補選手たちの招集、強化合宿、セレクションマッチ実施などを経て現地へ向かう計画もあった。

 しかし、ニュージーランドに滞在しているジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチらコーチ陣が入国制限を受け、国内合宿など、遠征準備を進めることが難しい状況があった。
 また大会終了後に帰国した際、それぞれの選手が14日間の待機期間を設けなければいけないことも懸念材料のひとつになっていた。来年1月開幕予定のトップリーグへの準備に影響が及ぶと見るむきもあったからだ。

 日本ラグビー協会は、結果的に、それらの状況を踏まえてエイトネーションズへの参加を見送ることを決めた。
 エイトネーションズが予定通りに開催されるなら、イングランド、アイルランド 、ウエールズ、スコットランド、フランス、イタリアの6か国に加え、フィジーとジョージアが参加することになりそうだ。

 2020年シーズンの予定があらためて白紙となった日本代表(日本協会)は、急ピッチで新しい活動プランを立てている最中だ。
 エイトネーションズ構想が浮かび上がる前には、コロナ禍におけるカレンダー変更の可能性も踏まえ、南半球チームとの対戦案も選択肢に入れていた。
 今後は、そのあたりとの対戦の可能性を探っていくことになるのだろうか。
 2023年ワールドカップへ向けての第一歩はどうなるのか、はやく知りたい。


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