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ラグビー金言【24】国籍に関係なく、全員を対等に、一人ひとりが持つ強みを見る。

2020.08.26

キヤノンイーグルスでも指導力発揮が期待される。(撮影/松本かおり)



 2020-2021年シーズンからキヤノンイーグルスを率いる沢木敬介監督は、厳しいコーチングスタイルでチームを鍛え、一人ひとりの選手に目を向ける指導者としても知られる人だ。
 サントリーサンゴリアスの監督を務めたときには、2016-2017年シーズンからチームの指揮を執り、2年連続でトップリーグを制している。

 秋田経法大付属高校から日大に進み、サントリーで活躍。日本代表でもプレーし(主にSO)、キャップ7を獲得した。
 U20日本代表など年代別代表に始まり、エディー・ジョーンズ率いる日本代表の指導陣にも名を連ねた。信頼を寄せる選手も少なくない。

【沢木敬介監督の金言】

 サントリーサンゴリアスを指導した3年目、2018-2019年シーズンのカップ戦ファイナル、トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦には外国出身選手ゼロで挑んだ。
 外国出身選手が23人中8人いたベストメンバーの相手と戦った結果は34-43。若手も多く含むメンバーが食らいついた試合後に言った。

「ダイバーシティーのいまの世の中で、『日本人だけで』なんて起用はしません。この選手たちに伸びてほしいと思って選んだら、こうなった。うちのひよっこ軍団がライオンになりかけた」

 思いをあらためて口にした。
「日本人選手はできない。外国人は選手もスタッフも優秀。そんな先入観で判断するのが好きじゃない。選手にも、同じポジションに外国人選手がいるから『自分は2番手』と思ってほしくないし、思わせたくない」

 外国人選手が日本人選手のカバーできないところを補ってくれる。そのお陰でチームが伸びることも多いし、存在自体が周囲に好影響を与えるケースもよく知っている。
 それでも、「(日本人選手と外国人選手を)対等に見ていないと成長できない」と信じる。普段から国籍に関係なく、一人ひとりが持っている強みを見るようにしている。


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