「アンテナが張れていない。ゲームの中での反射的なアクションがないな」とは、桐蔭学園の藤原秀之監督。
前回の第99回花園(全国高校大会)で優勝している桐蔭学園が、菅平高原で行った夏合宿で東福岡(前回花園4強)と対戦した。スコアは17-14で東福岡の勝利(前半17-7)。トライ数は2本ずつの内容だったが、東福岡がこだわりの接点で強さを発揮し、PG(ペナルティゴール)差で勝負をものにした。
Bチーム、Cチーム戦も行なった両チームは、ともに、ライバルとの試合に表情が生き生きとしていた。夏のラグビーの聖地とも言われる菅平。今年は新型コロナのウイルス感染拡大の影響で、直前で合宿を中止にした強豪チームもひとつや二つではない。例えば東福岡は全クルーが検査を受けるなど、各チームとも拡大防止対策には万全を期しての合宿実施。貴重な手あわせの機会を満喫している。桐蔭学園にとっては合宿中唯一の試合チャンスだった(試合展開はラグビーマガジン10月号=8月25日発売に)。
東福岡・藤田雄一郎監督
「花園で2年負けている相手。負けた理由は接点、ブレイクダウンに尽きる。きょうはそこがポイントでした。狙っていたことはできた。(練習試合でも)PGを狙うのは、ウチの元々の方針です。ラグビーはポイント・ゲーム。スーパーラグビーならばトライ数もまた重要ですが、彼らの目標は花園で、1点でも多い方が勝ち上がるノックアウト方式。夏合宿の他の試合も同じように戦ってきました。相手チームにも了承をいただいて…。きょうは久々に、公式戦のような緊張感でした。勝てて得られる成長は、今の私たちにとって大きいですね。今年のような、イレギュラーな年に優勝するチームは、本当に力のあるチームだろうと、私は思っています。100回大会、すごく楽しみです」
桐蔭学園・藤原秀之監督
「個々がどれだけできるか、が試合のフォーカスでした。アンテナが張れてないな、選手としての反射的なアクションがないな、と感じました。今年の状況でスタートが遅れた中、今一番足りないのは試合経験ですよね。ただ、そこも含めて、通常の年のようにはいかない、全部はできないものと思っています。何かを切る、捨てるしかない。きょうは、ブレイクダウンはやられてましたね。BKが、思ったよりも良かった。練習では本当に良いところがなかったので、試合になってできるというのはちょっとわからない(笑)。全体には、課題が見えたので、よかったなと思っています」