ラグビーリパブリック

日本のラグビーコーチは学び続ける。日本ラグビー協会のコーチ勉強会「ユース・リソース研修会」がオンラインに

2020.08.12



 ラグビーコーチの学びを止めない。

 日本ラグビー協会は8月2日(日)、ユース世代の強化を担うユースコーチ、リソースコーチ、全国9ブロックの代表監督を務めるコーチを対象としたオンライン勉強会「第3回ユース・リソース研修会」を開催した。

 日曜日の夜8時から約90分間。全国のユースコーチ、リソースコーチ約30名がオンラインでつながり、交流を深めながらコーチングを学んだ。

 高校日本代表の品川英貴監督(長崎北陽台)も参加した第3回は、主にチーム運営における「ストラテジック・プランニング」(戦略計画)を学んだ。

 画面越しの座学のあとは、4〜5人ずつがオンラインの各部屋に移動してのグループワーク。

 遅滞なく進行した研修会の司会は、日本ラグビー協会の今田圭太ハイパフォーマンスコーチング部門長だ。今田氏はオンライン研修会の開催意図をこう語った。

「新型コロナの影響で、毎年1回行なっていた『ユース・リソース研修会』が開催できなくなりました。しかしユース活動を止めないために、今年5月から月1回のペースで『全国のユース・リソースコーチを繋げること』『学びの場を確保すること』を目的として、オンライン研修会を行っています」

 ユース強化は日本代表強化に直結する。コロナ禍とはいえ、ユース活動を停滞させてはならなかった。

 またコーチングの領域で日本スポーツ界をリードするラグビー界として、今田氏には別の意図もある。

 学び続けるコーチが多く生まれてほしい。

「この活動がユース世代の強化と加速、最後は日本代表強化に繋がればと考えていますが、『学び続けるコーチをたくさん作っていきたい』という狙いもあります」

 研修会の冒頭で、今田氏はコーチにはお馴染みとなっているアメリカの社会学者、ジャック・メジローの言葉を紹介した。

「大人の学びは痛みを伴う」

 子供は膨大な空き容量にただ吸収すればいい。しかし大人には経験と知識、プライドがある。新しい知見を受け入れるために、大人は時として自己否定をしなければならない。

 大人の学びには精神的苦痛をともなう。しかし連帯しながら、共に成長していこう——。日本ラグビー協会のトップコーチ研修会はそんな高い理想の下に連帯し、さらなる成長をめざす大人達の集いでもある。


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