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改革迫られるスーパーラグビー 豪協会は日本のTL優勝チーム含む「スーパー8シリーズ」提案

2020.08.12

大成功となったNZの「スーパーラグビー アオテアロア」。NZはハイレベルな大会を望む(Photo: Getty Images)


 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行により、5か国間を毎週のように移動しながら約半年間にわたって開催されてきたスーパーラグビーの形が変わろうとしている。
 2020年のスーパーラグビーは、コロナの影響で3月に中断。その後、ニュージーランドとオーストラリアは代替大会としてそれぞれ国内のチームのみが参加する大会を開催しているが、コロナ禍が収まらない南アフリカとアルゼンチンでは再開ができず、日本のサンウルブズは活動を終えてしまった。

 スーパーラグビーの現在の放送契約は年末に期限を迎えることになっており、大金をもたらす新しい契約を確保するためにも、各国の関係者からさまざまな提案がなされている。
 スーパーラグビーの未来はどうなるのか……。

 世界中のラグビーファンを魅了してきたスーパーラグビーの起源は、アマチュア時代に6チーム参加でおこなわれた「サウスパシフィック・チャンピオンシップ」だと言われている。オーストラリア、ニュージーランド、フィジーからチームが集まって1986年から1990年にかけておこなわれた同大会は、のちに「スーパー6」と名前を変え、1993年には南アフリカのチームとパシフィック・トライネーションズ(フィジー、トンガ、西サモア=現在のサモアが参加)優勝国が新たに参戦し「スーパー10」に発展。そして時代はプロ化を迎え、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカから計12チームが参加するプロリーグの「スーパー12」が1996年に始まった。このスーパー12が、今年25年目を迎えた「スーパーラグビー」のスタートとされている。

1996年のスーパー12時代。「IT’S SHOW TIME !」のキャッチコピー通りファンを魅了(Photo: Getty Images)

 その後、スーパーラグビーは発展・拡大し、2016年にはアルゼンチンと日本からもチームが参加するようになり、最大18チームでおこなわれるようになった。

 しかし、あまりにも大きくなりすぎて競争力に格差が生じ、フォーマットも複雑になりすぎたことから運営団体のSANZAARは大会再編に着手する。参加チーム数は削減され、日本のサンウルブズは2020年を最後に除外されることになった。

 そして、新型コロナウイルスのパンデミックで混乱が生じ、スーパーラグビーの未来は不透明になってしまった。

 そんななか、ニュージーランドラグビー協会は7月に改革案を発表。南アフリカのチームとアルゼンチンのハグアレス(ジャガーズ)を除外する計画を打ち出したのだ。来季の参加枠は、ニュージーランドの現存5チームに加え、オーストラリアからは2~4チーム、そして太平洋諸国の1チームを加えたい意向を示した。
 南アフリカとアルゼンチンを除外する理由については、新型コロナウイルスの影響により長距離の移動が不可能なためと説明した。

 南アフリカでは、2017年を最後に除外されたチーターズとサザン・キングズがヨーロッパのリーグ(プロ14)に参加するようになり、南アとヨーロッパでは時差がほとんどないことから、他のクラブもスーパーラグビーを離れてヨーロッパの大会に加わるべきだという声が高まっている。スーパーラグビーのレベルの高さは認めるが、ニュージーランドラグビー協会による“南ア除外案”が出たこともあり、賛否両論。長年の関係がある南半球に残るのか、それとも新たな道として北半球へ向かうのか、決断が注目されている。

 そして、オーストラリアラグビー協会も8月10日に改革案を発表。オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチン、そして日本との関係を継続する方向で、「スーパー8シリーズ」を提案したのだ。

 これは、各国で国内大会(オーストラリアとニュージーランドは両国にまたがるトランス-タスマン大会も検討)を実施したあと、成績上位チームが集まってファイナルシリーズを開催するというもの。オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカからは各上位2チーム、南米からは1チームで、日本はトップリーグの優勝チームが参加するという計画だ。

 日本のトップリーグ上位チームがスーパーラグビーに参加する案は5月にシドニーモーニングヘラルド紙が報じており、検討を重ねたうえでの「スーパー8シリーズ」案だと思われる。

 オーストラリアラグビー協会によれば、放送局の対応期限は9月4日で、関係者との正式な交渉を開始するという。

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