2020年、サンウルブズにとってはスーパーラグビーで戦うラストイヤーとなったが、未来のスター候補たちが貴重な経験を積んだシーズンでもあった。当時大学生だった多くの若者がスコッド入りした。
SH齋藤直人(早稲田大)、CTB中野将伍(早稲田大)、WTB/CTBシオサイア・フィフィタ(天理大)は試合に出場し、PR安昌豪(明治大)、PR谷口祐一郎(天理大)、PR郭玟慶(摂南大)、HO原田衛(慶應義塾大)、LO箸本龍雅(明治大)、FL/NO8アシペリ・モアラ(天理大)、WTBイノケ・ブルア(流通経済大)、FB雲山弘貴(明治大)がトレーニングスコッドに名を連ねた(※ 所属は当時)。
沢木敬介コーチングコーディネーターは、「齋藤も中野もサイア(フィフィタ)も、スーパーラグビーを経験できたのは日本のラグビーのレベルを上げるいい機会になったと思います。今年はトレーニングスコッドに大学生を何人も呼んでいたので、彼らもスーパーラグビーの雰囲気を味わい、本当に刺激がある日々を経験できたと思います」と収穫を口にした。
スーパーラグビーに今年初参戦したサンウルブズの選手のなかで最も活躍した選手に贈られる『2020ルーキー・オブ・ザ・イヤー』は、全6試合に先発出場したフィフィタが選ばれた。右ウィング、アウトサイドセンターとしてパワフルな走りを披露し、2トライを記録するなど活躍した。
現在、天理大学4年生のフィフィタは、8月8日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれたサンウルブズのメモリアルセレモニーには参加できず、メッセージビデオで喜びを語った。
「まず、スタッフの皆様、ありがとうございました。このチームでプレーができて、すごく幸せな時間でしたし、いい経験になりました。この経験を活かして、次の目標を達成できるように、頑張っていきたいと思います。ファンの皆様、いつも熱い応援、ありがとうございました。これからも応援よろしくお願いします。フォー・ザ・サニーズ(サンウルブズ)!」
5試合に出場した中野は、背番号12をつけて先発した2月29日のハリケーンズ戦が最も印象に残っているという。
「いままでラグビーをしてきたなかで、いちばんフィジカル的に、自分自身、きついと感じた試合でした。今後に向けていい経験になったと思います。(特に印象的だった相手は)ラウマペ選手。前半の最初の方で吹っ飛ばされました。次は勝てるように努力していきたいです」
ニュージーランド代表復帰を狙うパワフルなCTBンガニ・ラウマペとの再戦を望む。
日本人初のスーパーラグビープレーヤーとなってハイランダーズの一員として優勝も経験し、2017年からサンウルブズに加わった35歳のSH田中史朗は、「若い時からああいうすばらしいレベルでやるというのは彼らの財産になるし、こういう選手が増えてくれば日本のラグビーももっともっとレベルが上がると思う」とコメントし、若手の成長に期待している。