神戸製鋼コベルコスティーラーズを退団後、母国ニュージーランドで現役を続けることを決め、ブルーズに加入した世界的スーパースターのダン・カーターだが、負傷により、現在開催中の「スーパーラグビー アオテアロア」には出場できないかもしれない。
ニュージーランドの5チームがホーム&アウェイの2回戦総当たりで優勝を争うこの大会において、これまで6試合を戦い4勝2敗(勝点17)で2位につけるブルーズは、8月2日にダニーデンでおこなわれるハイランダーズ戦の試合登録メンバーを発表したが、カーターの名前はなかった。ブルーズは次の週は試合がなく、8月16日に地元オークランドで迎えるクルセイダーズ戦がラストゲームとなるため、カーターが今季アオテアロアでプレーするチャンスはあと1試合である。
2011年と2015年にワールドカップ連覇を遂げたニュージーランド代表“オールブラックス”の司令塔で、世界最優秀選手賞に3度も輝いたことがある38歳のカーターは、6月4日にブルーズ入団。新型コロナウイルス感染拡大防止のためのロックダウン期間中になまった体を鍛えなおそうと、若い選手たちと一緒に厳しいトレーニングを重ね、チームが休みだった7月4日には故郷サウスブリッジの古巣クラブに戻りアマチュアレベルながら4か月半ぶりに試合でプレーするなど、ブルーズデビューへ向けて着実に準備を進めていた。そして、レオン・マクドナルド ヘッドコーチは7月18日のハリケーンズ戦でカーターをベンチ入りさせるつもりだった。
しかし、その2日前の練習中にカーターはふくらはぎを負傷。ハリケーンズ戦は試合メンバーから外れることになり、2週間経っても回復せず、現地メディアの報道によれば、別メニューのリハビリを続け本格的なトレーニングには参加できていない状態だという。
もし最終節までに回復したとしても、首位のクルセイダーズを勝点2ポイント差(7月31日現在)で追うブルーズには逆転優勝の可能性があり、今大会のラストゲームとなる8月16日の直接対決で指揮官がカーターにチャンスを与えるかどうかはわからない。
しかし、レジェンドは戦列復帰をあきらめたわけではない。
カーターにとって、クルセイダーズはかつて13年間在籍した古巣。その相手と優勝決定戦になるかもしれない大一番で登場となれば、世界中のラグビーファンが注目するクライマックスとなる。