2017年からスーパーラグビー3連覇で南半球の王座に君臨し続け、2020年は新型コロナウイルスの世界的大流行により代替大会として設けられたニュージーランドの国内大会「スーパーラグビー アオテアロア」でも強さを見せつけていたクルセイダーズが、今季初黒星を喫した。
7月25日に地元クライストチャーチでハリケーンズと対戦し、32-34。クルセイダーズはホームで36試合連続負けなしだったが、2016年7月に今回と同じ相手ハリケーンズに敗れて以来の黒星となった。
スーパーラグビー アオテアロアは5チームがリーグ2回戦総当たりでプレーオフがないため、開幕から4連勝だったクルセイダーズがこの試合も勝てば優勝に大きく近づくところだったが、4年ぶりのタイトル獲得をあきらめないハリケーンズが独走を阻止した。
前半、クルセイダーズがSOリッチー・モウンガの鋭い走りとWTBジョージ・ブリッジの華麗なフットスキル&チェイスで会場を沸かせたのに対し、ハリケーンズはWTBウェス・フーセンが2トライを奪い返すなどし、アウェイチームが4点リードで折り返した。
後半も熱闘は続き、ハリケーンズが徐々に点差を広げたが、クルセイダーズは20-31で迎えた68分(後半28分)、FWのパワープレーでゴールラインを割り、勝利への執念を見せる。逃げ切りたいハリケーンズが75分にPGで7点差とするも、クルセイダーズはその1分後、モウンガがディフェンスを突破してロングパスでWTBセヴ・リースのコーナーフィニッシュを演出し、2点差に詰めた。
だが、タッチライン近くから放たれたモウンガのコンバージョンキックはわずかにゴールポストの左に外れ、同点ならず。
クルセイダーズは試合終了間際、自陣深くからの果敢なアタックで敵陣22メートルライン近くまで迫ったが、ハリケーンズのSHジェイミー・ブースが懸命に赤いジャージーの背番号15ウィル・ジョーダンを止め、FBジョーディー・バレットがブレイクダウンでターンオーバー。ハリケーンズが激闘を制し、歓喜となった。
ハリケーンズはこれで4勝2敗(勝点16)。クルセイダーズは4勝1敗(勝点19)となった。
首位クルセイダーズの連勝ストップで優勝争いに望みをつないだもう1チームは、ブルーズだ。クルセイダーズとの直接対決に敗れたあと、先週はハリケーンズに競り負け痛恨の2敗目を喫していたが、26日に地元オークランドでおこなわれたチーフス戦を21-17で制し、4勝2敗(勝点17)となった。
ブルーズは前半6分、スクラムからの攻撃で、CTBリーコ・イオアネからノールックパスをもらったFBマット・ダフィーが抜け、先制。久しぶりに背番号10をつけたボーデン・バレットのプレーメイクもブルーズにリズムをもたらした。
一方、今大会唯一未勝利で長いトンネルから抜け出したいチーフスは、2トライを奪い返し、FBダミアン・マッケンジーがゴールキックで得点を重ね、51分(後半11分)に逆転した。
しかし、ブルーズは14-17で迎えた55分に連続攻撃でゴールに迫ると、SHフィンレー・クリスティーが間隙を突いてゴールライン上に押さえ、トライが認められ再びリードを奪った。
4点を追うチーフスは試合終了前のラスト5分間、敵陣深くで猛攻を繰り返したものの、ブルーズが懸命に守り切り、熱闘は21-17でノーサイドとなった。
ブルーズは首位のクルセイダーズより1試合多く消化しているが、勝点は2ポイント差とし、優勝に望みをつないだ。次はハイランダーズ戦で、その後1週間のブレイクをはさみ、8月16日の最終節ではホームでクルセイダーズと再戦することになっている。
チーフスは0勝6敗(勝点5)となった。