ラグビーリパブリック

約35億。パナが熊谷ラグビー場隣接に新施設建設。来年8月完成へ

2020.07.20

パナソニックと埼玉県ラグビー協会が共同で記者会見を行った(撮影:BBM)

 2022年1月の開幕を目指す新リーグ。参入チームの先行事例となりそうだ。

 パナソニックと埼玉県ラグビー協会は7月14日に記者会見を開き、熊谷ラグビー場のある埼玉県営熊谷スポーツ文化公園内に新たな施設を建設することを発表した。施設は管理棟、屋内運動場、宿泊棟の3つからなり、2021年8月上旬の完成を目指す。パナソニックは昨年の2月に、本拠地を現在の群馬県太田市から埼玉県熊谷市への移転を表明していた。

県協会の富岡清会長は「熊谷も試合会場になったW杯の盛り上がり、町の賑わいを単発のものとせず、レガシーとしてどう残していくかが、関係者の共通の思いだった。新施設の整備により、ラグビーの振興普及発展だけでなく、さらなるにぎわい、利便性の向上にもつながる。ラグビー関係者だけでなく、多くの方に広く使っていただきたい」と語った。

 3つの施設は、熊谷ラグビー場メインスタンドから見て右斜め前あたりに建設される。熊谷ラグビー場の大型ビジョンの真下から管理棟までの距離は徒歩で30秒ほど。ラグビー練習場や駐車場などを含めた広さは約3万平方㍍にも及ぶ。3つの施設は埼玉県から県協会が都市公園法に基づき、設置管理許可を得て建設する。

 そして、屋内運動場や管理棟内のクラブハウスはパナソニック株式会社企業スポーツセンターが、宿泊棟や管理棟内飲食店はパナソニックホームズ不動産株式会社が、県協会と35年の賃貸契約を結んだ。総工費は34億9000万円で、財源は県協会が市内の金融機関から借り入れをして賄う。敷地内の建物等の撤去はすでに完了し、今月中に着工する予定だ。

左から宿泊棟、ラグビー練習場、管理棟、屋内運動場。右下には熊谷ラグビー場(提供:埼玉県ラグビー協会)

 管理棟は2階建てで、全長30㍍のトレーニング室やメディカルルームなど、主にパナソニックのクラブハウスとして利用される。1階には一般客も利用できるカフェや会議室、2階には県協会の事務所が設けられる。

管理棟に隣接した平屋の屋内運動場は悪天候や厳しい冬場の際に用いられることを想定。屋根の高さは約8㍍でラインアウトの練習もできるような設計になっている。

 管理棟からラグビー練習場を隔てて建設される宿泊棟は4階建て。公園内で開催される大会や合宿等で訪れた競技者やファンなど、一般客が利用できる。また学生向けに低額で提供できるよう、2階はカプセルタイプの個室などを設置。3、4階にはトップチームにも対応できるようツインの部屋などを用意し、客室は全部で247室、最大308名が収容できる。1階にはグッズの売店やレストラン等のテナントが入る。

管理棟と宿泊棟の間に位置するラグビー練習場は埼玉県が整備して、県協会が管理し、主にパナソニックが使用する。一方、パナソニックの飯島均GMは「パナソニックの練習は短いので、芝と相談しながら、高校生や地元のスクール生など、なるべく多くの人に利用してもらいたい」と話した。

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