ラグビーリパブリック

「頑張ってくれているから行こう」。日本ラグビー協会、森会長が『YOKOHAMA TKM』へ。

2020.07.16

森重隆会長(中央)は何度も感謝の気持ちを伝えた。(撮影/松本かおり)



 仲間が頑張ってくれているから行こう。
 日本ラグビー協会の岩渕健輔専務理事は、森重隆会長にそう誘われたと話した。
 同協会の森会長と岩渕専務理事が7月16日の午後、横浜・東戸塚で練習する女子ラグビーチーム『YOKOHAMA TKM』のもとに足を運んだ。

 森会長は、同チームに所属する選手たちが新型コロナウイルス禍の中で医療従事者として病院を訪れた人たちに対応していることを聞き、「ひと言お礼の言葉を言いたい」と行動に移した。
 選手の前に立ち、「大変な時期に活躍している皆さんにお礼が言いたくて来ました。終わりがないと言えば終わりがないこの状況ですが、いつか必ず笑って話せる日が戻って来ます」と、仲間に語りかけるようだった。

 戸塚共立第1病院、同第2病院や福祉施設など(横浜未来ヘルスケアシステム)で働きながらプレーを続けている選手が多い同クラブ。直接的な医療現場にはいなくとも、来院した患者さんの安全を確保したり、感染拡大を防止するため、気を張って職場に立っている選手が多くいる。
 メンバーの一人ひとりが自己紹介とともに、現在の仕事について話した。その言葉からは、実際にウイルス感染者も受け入れる病院の緊張感が伝わった。

 受付業務で、訪れる人に検温や消毒を促す。熱のある人に対して適切に対応し、医師の診察へつなぐ。
 防護服を作る。立入業社の人たちの健康状態をチェックするメンバーもいる。
 選手たちは各ポジションの役割を全うすることで、病院というチームを支えている。

 森会長は先日、自身の母校で、監督も務めた経験がある福岡高校の現役バイスキャプテンが訪ねて来て、「ラグビーに関わる仕事がしたい」と熱意を伝えられた話をした。
「ラグビーは、こういう(情熱的な)人たちに支えられていると、あらためて感じました。みなさん、日本協会をはじめ、一人ひとりが力を出して、頑張ってワンチームになればきっといい日が来ます」

 2011年8月8日に誕生したチームが歩きはじめて、もうすぐ丸9年が経つ。困難な時代に最前線を走る選手たちの強い意志と真摯な姿勢は、確実にチームを上向きに進ませるパワーとなっている。


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