ラグビーリパブリック

RWC2019はボランティアも成功。ボランティア全体への意欲も上昇

2020.07.15

全国12都市で13000人が活動したRWC2019日本大会のボランティア(撮影:笹川スポーツ財団)

 戦績、普及面、経済的に大きなインパクトを残したラグビーワールドカップ2019。この度、その舞台を支えたボランティアにおいても、成功を収めていたことがレポートで報告された。
 
 いまやスポーツのメジャー国際大会に欠かせないのが大会ボランティアの存在である。RWC2019では、試合会場の運営補助、アクセス周りの案内、街なかに設けられたファンゾーンでのサービスなどに当たった。44日間にわたる大会期間中、およそ1万3000人が活動した。

「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進する公益財団法人笹川スポーツ財団(所在地:東京都港区 理事長:渡邉一利 以下:SSF)は、ラグビーワールドカップ2019(以下、大会)の大会ボランティア約13,000人を対象に、「ラグビーワールドカップ2019大会ボランティアに関する調査」を、2019年9月3日~9月18日、2019年11月21日~12月14日の大会の前後2回にわたり実施。その結果、ボランティア参加者のラグビーやスポーツボランティアに対する考えが、ラグビーワールドカップ2019を経てポジティブな方向に変化したことがわかった。

ラグビーワールドカップ2019のボランティア活動満足度

 この調査によれば「ボランティア活動への満足度」は、「非常に満足した」(55.0%)、「やや満足した」(34.5%)で、全体の9割が満足した結果に。「ラグビーに対する気持ちの変化」においては、ラグビー日本代表への愛着が大幅に高まったことがわかった。


ラグビーに対する意識と態度【ボランティア活動前後での変化】

●「勝っても負けても、日本代表を応援し続ける」大会前 59.1%→後 70.7%
●「今後ラグビー日本代表を応援する意思がある」大会前 52.9%→後 70.3%
●「私はラグビー日本代表試合を直接観戦したい」大会前 54.2%→後 67.9%

 また、調査結果を見渡すと「非常にあてはまる」の回答割合が大きく伸びた項目には、

●「今後ラグビー日本代表を応援する意思がある」

(17.4ポイント:52.9%→70.3%)

●「今後ラグビー日本代表に関わるボランティアをしたい」

(17.2ポイント:24.1%→41.3%)

●「私はラグビー日本代表試合をテレビ、インターネット等で観戦したい」

(15.6ポイント:48.2%→63.8%)

などが挙がった。

 ボランティア活動への意欲の高まりも、社会的な影響としては見逃せない項目だ。RWC2019での活動を通して、スポーツボランティア活動の継続希望者は9割を超えた。さらに「今後もスポーツボランティアを行いたいか」の問いに対しては

●「ぜひ行いたい」大会前 49.3%→後 55.4%
●「できれば行いたい」 大会前 44.5%→後 39.1%

 となっており、ラグビーワールドカップのボランティア活動を通じて、スポーツに関わるボランティアの意欲が向上したことがうかがえる。特に「ぜひ行いたい」の割合が6%以上、上がっているのに注目させられる。

■研究担当者コメント
 調査結果と大会ボランティアに関わるストーリーをまとめたレポートから、ラグビーワールドカップが、国際スポーツ大会のボランティアの成功例であることがわかる。様々な成功要因があげられるが、長野オリンピック・パラリンピック(1998)や2002FIFAワールドカップなどの大規模大会、Jリーグクラブのホームゲーム、東京マラソンに代表される大規模市民マラソンなどを重ねて、わが国のスポーツイベントのボランティアが成熟してきたという歴史を忘れてはならない。
 大会で活躍したボランティア一人ひとりはもとより、大会におけるボランティア運営のノウハウやその背景にある精神を今後のスポーツ推進につなげることが、ラグビーワールドカップのレガシーといえる。来年夏の東京オリンピック・パラリンピックには、このレガシーを活かし、スポーツボランティアをさらに発展させることを期待したい。

詳細は、公式リリースへ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000060227.html

活動後の感想