サントリーサンゴリアスを退団し、引退が噂されていた世界的スターのマット・ギタウだが、北米プロリーグのメジャーリーグラグビー(MLR)で現役を続ける可能性が出てきた。オーストラリア代表“ワラビーズ”のプレーメイカーとして103キャップを重ね、9月に38歳の誕生日を迎えるレジェンドについて、『シドニー・モーニング・ヘルラド』紙などがアメリカのロサンゼルスに新しく誕生したLAギルティニスと交渉中だと報じた。
ギタウはこれについて『RugbyPass』のインタビューで、「エージェントが私が知らないことをしない限り、ただのペーパートーク(新聞がそう書いてるだけ)だと思う」と退けたが、完全には否定しておらず、「実際にアメリカに行くことを考えていなかったが、日本での最後のシーズンが終わったとき、少し心に穴が開いた」ことを認めており、アメリカでラグビー選手としてのキャリアを続ける可能性がある。
オーストラリア代表、南半球のスーパーラグビー(ブランビーズ、フォース)、フランスのトップ14(トゥーロン)、ジャパンラグビートップリーグ(サントリー)などでプレーし、プロ選手として20年活躍してきたギタウは、かねて、今年が現役最後のシーズンになると言っていた。しかし、サントリーサンゴリアスで3季目だったトップリーグ2020は、新型コロナウイルスの影響によりシーズン途中で大会中止が決定。ギタウにとっては不完全燃焼だったに違いない。
ギタウがロサンゼルス行きを決断すれば、かつて神戸製鋼コベルコスティーラーズでプレーしたオーストラリア代表時代のチームメイト、アダム・アシュリークーパーとともにLAギルティニスの歴史の始まりにかかわることになりそうだ。
36歳のユーティリティBKであるアシュリークーパーは、昨年のワールドカップに出場したあとMLRのオースティン・ギルグロニスに加わる契約を結んでいたが、LAギルティニスへ移籍しキャリアを続けるとみられている。
リーグ発足から来年で4季目を迎えるMLRの新規参入チームであるLAギルティニスは、オーストラリアのラグビー投資グループが所有権を持ち、ヘッドコーチにはかつて豊田自動織機シャトルズで指導したことがあるオーストラリア出身のダレン・コールマンが就任、アシスタントコーチには元ワラビーズNO8のスティーブン・ホイルズが選任されるなど、オーストラリアとの関係性が強い。