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オールブラックスも注目の若き天才、大型契約で13人制に残留。黒衣の夢は4年後?

2020.06.22

才能に恵まれたカイリン・ポンガ。少年時代はゴルフで13歳以下のNZ王者になったことも(Photo: Getty Images)

 ニュージーランド代表“オールブラックス”のヘッドコーチを務めて2015年のワールドカップ優勝を成し遂げ、ワールドラグビーの年間最優秀コーチ賞を4度も受賞した名将、スティーブ・ハンセン(現 トヨタ自動車ヴェルブリッツのディレクター・オブ・ラグビー)が、「あなたは彼に気づかなければならない。彼は特別な選手だ」と絶賛したスーパースターは、少なくとも、2023年のラグビーワールドカップでは観られないだろう。

 その男の名は、カイリン・ポンガ。オーストラリア生まれの22歳で、現在は13人制(ラグビーリーグ/NRL)でプレーしている。
 ニュージーランド出身の両親のもとに生まれ、マオリの血を引くポンガは、少年時代にプレーした15人制(ラグビーユニオン)へ将来転向するのではないかと噂され、かつてニュージーランドのメディアでオールブラックスへの憧れを口にしたことがある。「もし自分がユニオンに戻るとしたら、黒いジャージーを着るために努力したいと思うだろう。オールブラックスは頂点だと思うし、彼らは世界で最高のチームだ。そのジャージーを着ることはかなり特別なことだと思う」と語っていた。

 だが、15歳のときにラグビーユニオン、ラグビーリーグ、オーストラリアンフットボール(オージールールズ)という3つの異なる楕円球競技の6つのプロチームからオファーを受けたことがあるポンガは、プロアスリートとしてのキャリアをスタートさせた13人制のラグビーリーグに残ることを決め、2018年から在籍しているニューカッスル・ナイツと、2024年シーズン末まで契約を更新したことが6月16日に公式発表された。

 オーストラリアのメディアでは、ポンガとニューカッスル・ナイツの新たな4年契約は、総額440万豪ドル(約3億2000万円)と報じられている。

 その契約が終わるとき、ポンガは26歳。経験を重ね、エナジーにあふれ、まだ成長を続ける年齢かもしれない。15人制のファンからすれば、オールブラックスの一員として、2027年のラグビーワールドカップでぜひ観たい天才フットボーラーだろう。コードスイッチの話はいったん落ち着いたが、今後も要注目のひとりである。

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