医療現場に対する各方面からの支援が話題となっているが、同様の動きは日本ラグビー界でも広がっている。5月22日には三菱重工相模原ダイナボアーズのLO徳田亮真が、地元相模原市の相模原協同病院にマスク5000枚を寄付した。
相模原協同病院はチームドクターの草場洋平先生が勤務する病院で、普段からダイナボアーズがチームとしてケガの治療やメディカルチェックなどでお世話になっている。徳田自身もそうしたケアに加え肉離れや足首の靭帯を損傷した際に救急で診察を受けた経験があり、「日頃支えてもらっている医療従事者のみなさんに何かできないか」という気持ちから、マスクの寄付を思い立ったという。
「日々僕たちの健康を守ってくださる方々に感謝の気持ちを表したかったし、少しでもサポートすることにつながれば、と思いました」
チームは3月からグラウンドもジムもまったく使用できない状況で、選手たちはトレーナーが作成したメニューをもとに、各自でトレーニングを続けてきた。そうした中、5月25日に緊急事態宣言が全国的に解除され、各地でスポーツ活動が徐々に再開されるなど、長く続いた閉塞状況に少しずつ光が差しつつある。世界中の多くのラグビープレーヤーと同じように、徳田も存分にグラウンドで走り回れる瞬間が戻ってくることに、胸を高鳴らせている。
「初めてというくらい長い間グラウンドから離れることになって、その中でいろいろな気づきがあったし、成長できる部分がありました。これほど強くラグビーをやりたいと思ったのも初めてです。活動が再開された際は、プレーヤーだけでなくファンの方々ともこれまで以上に一体となって、ラグビー界を盛り上げるシーズンにしたいと思います」
ダイナボアーズにとっては12年ぶりに復帰したトップリーグだっただけに、シーズン半ばでの中止の無念は大きかっただろう。一方、第5節NEC戦で記念すべきトップリーグ初勝利を挙げたのをはじめ、東芝やキヤノンといった実力チームとも十分に渡り合うなど、つかんだ手応えは戦った試合数「6」から受ける印象よりはるかに多かった。一刻も早く平穏な日常が戻り、2020シーズンのぶんまで暴れ回ってくれることを楽しみにしたい。