ラグビーリパブリック

神戸製鋼がカーター退団を公式発表。盟友・エリス、元日本代表の安井も去る。

2020.05.22

世界最高のSO、そしてキッカーとしての実力を存分に見せたダン・カーター(Photo: Getty Images)


 世界最高峰のプレーで日本のラグビーファンを魅了し、神戸製鋼コベルコスティーラーズを15季ぶりのチャンピオンに導いたニュージーランドの至宝、ダン・カーター(38歳)が去ってしまった。1か月前に自身のSNSで退団を示唆していたが、2年契約満了で更新することなく、5月22日にコベルコスティーラーズからの勇退が公式発表された。

 ニュージーランド代表“オールブラックス”で112キャップを重ね、2011年と2015年のワールドカップ連覇に貢献、世界最優秀選手賞に3度も選ばれたスーパースターは、38歳となり現役引退が噂されているが、北米プロリーグMLR(メジャーリーグラグビー)のラグビーユナイテッド・ニューヨークが関心を示しているという情報もあり、プレーを続ける可能性もある。

 カーターはジャパンラグビートップリーグ参戦1年目から活躍し、2018-2019シーズンの神戸製鋼優勝に貢献してMVPを受賞。テストマッチ世界最多得点者でもある彼のゴールデンブーツはさびることなく、ベストキッカー賞も獲得した。そして、首の手術を経て2季目に臨み、連覇へ強い意欲を見せていたが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大によりトップリーグはシーズン途中で中止となり、カーターの神戸製鋼でのプレーは2月23日の東芝ブレイブルーパス戦が最後となった。

 神戸製鋼コベルコスティーラーズの一員として出場したカーターの試合数は、カップ戦を含め2シーズンで計13試合。ファンにしてみればもっと見たかったに違いないが、真摯なレジェンドはすべての試合で最高のパフォーマンスを披露してくれた。

トライを挙げた山中亮平のもとへ駆け寄るカーター。日本でもかけがえのない仲間を得た(Photo: Getty Images)
負けず嫌いな性格で、頼もしいリーダーだったアンドリュー・エリス(撮影:早浪章弘)

 そして、カンタベリー、クルセイダーズ、オールブラックスでもカーターと盟友だったSHアンドリュー・エリス(36歳)もコベルコスティーラーズ退団が決まった。エリスは6年在籍し、5年目からは共同主将のひとりとしてもチームを引っ張った。優勝に大きく貢献した2018-2019シーズンのトップリーグではベストフィフティーンにも選出された。

 そのほか、8年在籍した元日本代表FLの安井龍太(30歳)、セブンズ日本代表として国際舞台を踏んだこともあるWTB森田慎也(25歳)、元U20日本代表のPR/HO勝木来幸(27歳)、PR塚原巧巳(26歳)、FL佐野瑛亮(24歳)、6年在籍しバックローとHOで奮闘した西林宏祐(29歳)、拓殖大学卒業後にパナソニック ワイルドナイツを経て2015年からコベルコスティーラーズのメンバーとなったSOイーリ ニコラス(31歳)も退団が決定。

 外国出身選手ではほかに、日本航空高校石川、天理大学を経てコベルコスティーラーズに6年在籍した元セブンズ日本代表のCTBトニシオ・バイフ(29歳)、同じく6年在籍したニュージーランド出身のNO8マット・バンリーベン(32歳)、そして元U20ニュージーランド代表のPRセフォ・カウタイ(23歳)も新たな道を進む。

BK並みの走力でアタックセンスも高く、神戸製鋼で奮闘した安井龍太(Photo: Getty Images)