サモアラグビー協会は5月19日、2016年末から同国男子7人制代表のヘッドコーチを務めていたゴードン・ティッチェン氏の退任を発表した。
東京オリンピックがもともと開催される予定だった2020年8月まで契約を結んでいたが、新型コロナウイルスの世界的大流行により東京オリンピックは1年延期が決定。オセアニア予選で出場権を獲得できなかったサモアは世界最終予選に進むこととなりまだ望みは残っているが、コロナ禍で国際サーキット(ワールドラグビーセブンズシリーズ)は中断したままで、将来は不確実性が非常に高いという理由から、ティッチェン氏は8月末に満了となるサモア協会との契約を更新しないことを決めたという。
ニュージーランド出身の64歳であるティッチェン氏は、世界が認める7人制ラグビー(セブンズ)の名将。
かつて母国の代表“オールブラックス・セブンズ”を22年間指揮し、ワールドセブンズシリーズで12回も総合優勝に導き、4年に一度開催されるコモンウェルスゲームズ(英連邦総合競技大会)では4連覇を達成、ワールドカップ・セブンズでも2回金メダルを獲得している。2010年にニュージーランド年間最優秀コーチ賞を受賞。2012年にはセブンズの指導者として初めてIRB(国際ラグビーボード/現ワールドラグビー)の殿堂入りを果たし、2013年には「サー」の称号で呼ばれるナイトの爵位を贈られた。
サモアの指揮官となってからは、2018-2019シーズンのワールドセブンズシリーズでラスベガス大会準優勝、香港セブンズ4強入りなどで総合ランキング6位に導いたが、タイトルを獲得することはできなかった。