日本に生まれたサンウルブズは、2020年を最後に、世界で最もエキサイティングなクラブ大会のひとつといわれる「スーパーラグビー」から除外されることになっているが、大会を運営するSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチンの4協会からなる連合組織)が日本チームをキープする計画を検討していることが明らかになった。
ジャパンラグビートップリーグの上位チームが参加することになるかもしれない。
シドニーモーニングヘラルド紙が報じたもので、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ(アルゼンチンチームを含む)の各カンファレンス優勝チームなどとともに、日本のトップリーグで成績上位だった2チームをプレーオフに参加させるという計画を、さまざまなオプションのひとつとして検討しているという。
実現の可能性は不確かなままだが、提案されているすべての再編モデルは、4つのSANZAARパートナーの継続的な一体化を前提としている。
2011年大会から導入されていたカンファレンスシステム(参加チームを地区分けして順位付けし、プレーオフ進出にも関係してくる)が複雑という声もあり、来年は14チームの総当たり形式に戻すことも検討されていたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により各国で渡航制限がなされ経済的影響も大きく、スーパーラグビーは再考されている。
そのため、各カンファレンスを国内大会として実施し、国境を越えたファイナルシリーズに最高のチームが進む、という案が最も可能性の高いオプションとみられている。
シドニーモーニングヘラルド紙によれば、日本側はSANZAARの大会に参加し続けたい熱意があると報告されているという。日本はオーストラリアやニュージーランドと時差があまりなく、ワールドカップの成功もあってラグビー人気が高まり巨大な商業市場であることも、関係を継続したい理由だという。
しかし、スーパーラグビーのレギュラーシーズンとジャパンラグビートップリーグの開催時期が重なる可能性があり、2つのリーグを統合するには課題が多く、トップリーグの上位チームをファイナルシリーズ(プレーオフ)に参加させる案が出てきた。
各カンファレンスの試合を2月から5月にかけておこない、ほぼ同時期に開催されるトップリーグの上位2チームを含めた計8チームが出場するファイナルシリーズを6月または7月に実施する、というようなことが考えられている。
現在、日本でも国内の新リーグが計画され、さらなる活性化が求められている。
日本をスーパーラグビーのファイナルシリーズにリンクしようとする試みは、当然、日本ラグビー協会の承認も必要だが、日本代表の強化につなげるためにも、選手や各チームのモチベーションを高めるためにも、興味深い話である。テレビ放送的にも魅力的に違いない。そしてなにより、ファンの夢が広がっていく。