ラグビーリパブリック

【動画】初心者から育てる。浦高のトレーニング[4]_砂場メニュー

2020.05.11

タックル、ディフェンス、密集のスキルなどは「型」の練習で。主体性の領域とは別に区分けして強化している(撮影:早浪章弘)



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動画による説明はMENU_17に


MENU_16 砂場 両ヒザ・タックル

タックラーは両ヒザをついた状態
当然、踏み込みはないので、ハードヒットを避けられる
相手を倒した時、このように真上に乗れているかに注力したい

やり方
・タックル練習者(写真右)は両ヒザをついて構える
・パートナー(左)は、初めは歩きで、練習者に近づき、タックルを受ける
・練習者はタックルの瞬間も目をつぶらないこと。体の中心の軸を相手に当てる(結果、首の付け根あたりが当たる)
・そのまま相手の足を抱えて、倒す

×NG
倒れた時に、自分(タックラー)の顔の前に地面があったり(下写真)、空が見えたりしたら、相手の真上に乗れていない証

CHECK!
タックラーは確実に「相手の上に乗る」感覚を
この練習で覚えてほしいポイントは、激しく当たることではありません。大事なのは、倒した相手の真上に、重なるように「乗っかれるか」。そのためには、自分の体の軸を、相手の軸に当てることが大切になります。この感覚がつかめれば、強く当たれるようになった時に、相手の芯を食うタックルができるようになります。

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MENU_17 砂場 片ヒザ・タックル

やり方
・片ヒザを立て、立てた方の足で踏み込んでタックル
・パートナー(左)は、練習者に向かって、歩きまたはジョグ。タックルを受ける
・ヒットの前の足の踏み込みを意識!
・入った瞬間から、両腕を締め上げるようにし、相手の体と自分の体を密着させる。相手の体が地面との間でクッションになってくれる

CHECK!
踏み込みをプラス。強度が上がっても「軸」があれば大丈夫

  足を踏み込むぶん、より能動的で、当たりも強くなり、実戦に近づきます。ここでも最後は「相手の真上に乗れているか」をチェック。相手のヒザの裏を、自分の両腕で締めあげるようにし、相手の体に密着して倒れると、安全。痛くありません。相手との間に隙間がある状態で倒れると、相手のヒザなどが当たって自分が痛い思いをします。

浦高、2年半で育てるプラン・2月〜 鍛錬機の考え方[構成・編集部]


It‘s 浦高’sWAY ::::: [ 編集部 ] ::::::::::::::::::::::


ラグビーは、いつ始めても「遅い」ことはない。

 2019年度の大会で3回戦に進出した浦和高校[埼玉県]は、中学までのラグビー経験者が先発に2人のみ。ラグビーの経験値は低かったが、彼ら自身の気質やモチベーションの強さなどが相乗効果を生む「ラグビー総合力」で勝ち上がった。

 後編(menu16〜)の今回は、浦高こだわりのメニューに絞って紹介。浦高が校庭の砂場で行っているタックルと、密集プレーの初心者ドリルにスポットを当てた。

 浦高の特徴は、指導の種類を明確に2つに分類していることだ。

「型を教え込み、機械的にあるレベルまで持っていく部分」と、「選手の主体性に託す部分」。今回のメニューは前者の分野だ。

 タックルとコンタクトは、安全性と効果的な体の使い方などを理論的に説明した上で実践し、段階をおって強度を上げていく。体力、筋力のトレーニングには縦割りグループで取り組み、トレーニングの仕方なども上級生から下級生に伝達していく。


一方でアタックについては生徒たちの発想や個性を尊重し、任せる。

 今回は、ラグビーを始めたばかりの生徒が、どのようにコンタクトや密集プレーを教わるか、浦高のドリル内容や重視するポイントを通して紹介した。
(構成◎成見宏樹 写真◎宮原和也、早浪章弘、BBM)

(構成◎成見宏樹 写真◎宮原和也、早浪章弘、BBM)

(つづく)

三宅部長(-2019年度の監督)は、日本ラグビー協会・2019年度コーチングアワード「フロンティア賞」を受賞した