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NZ国内版スーパーラグビー『アオテアロア』、開幕に近づく。

2020.05.09

クルセイダーズWTBセヴ・リース(左)とチーフスFBダミアン・マッケンジー。NZダービーは盛り上がる。(写真/Getty Images)



 新型コロナウイルスへの対応で世界的に高く評価されるニュージーランド(以下、NZ)。政府が発表する警戒レベルも順に引き下げられており、スーパーラグビーも他国よりひと足早く再開が望めそうな気配だ。

 Webサイト『Super Rugby New Zealand』では、5月7日にNZ政府が「現在レベル3にある警戒レベルが2に引き下げられた場合、ラグビーとネットボールの競技再開が可能だ」と発表したことを受け、ラグビー協会が再開に向けて具体的な準備を始めたことを伝えている。

 NZラグビー協会のマーク・ロビンソンCEOは、「スポーツ庁から発表があった警戒レベル2において競技を再開できるニュースを、ファン、選手、スタッフ、すべての関係者と共有できてとても喜ばしく思う」と話し、続ける。
「ネットボール、ラグビーの協会は、政府機関とのコミュニケーションを大事にしてきた。レベル2において、練習や試合の形式などがどのようになるかも分かって来ている。政府の前向きなサポートには感謝している。政府が警戒レベル引き下げの日程を発表する予定に合わせて、我々もスーパーラグビー再開の日取りを皆様にお伝えできるだろう」

 今回のNZ国内版スーパーラグビーは、『アオテアロア』と呼ばれる。ブルース、チーフス、ハリケーンズ、クルセイダーズ、ハイランダースが参加する予定で、ニュージーランド協会とSANZAAR(スーパーラグビーの統括団体)、上記5クラブ、選手会の協議の上、構想が練られている。
 5チームが10週にわたって、ホーム&アウェー方式の総当たりで戦う。各週末に2試合開催される。すべての試合は無観客が予定されている。

「以前から、NZのチーム同士のダービーはファンに特に人気があった。今回、10ラウンドも連続してそれをお見せできることは嬉しい」
 ロビンソンCEOは、ファンのニーズにマッチしていることを前向きにとらえる。また再開に向け、チーム、選手が3〜4週間ほどの準備期間を要することも頭に入れている。
「うまくいった場合、ファンは最短で、来月にはテレビで選手が戦うところを見ることができるでしょう。選手たちが観客の前でのプレー好むことももちろん分かっています。しかし、優先順位は国民の健康と安全」
 選手の体調も含め、全体の健康と安全を最優先に考えると強調する。

 NZでは、スーパーラグビー以外の各カテゴリーのラグビーも再開に向けて動き始めている。
 国内選手権に当たるマイター10カップ や、女子のファラー・パーマー カップに関しては、省略することなく開催するために詳細を協議中。7月に予定されている、ウエールズ、スコットランドと戦うスタインラガーシリーズに関しては、2週間以内に開催の可否を決める予定だ。

 アマチュアラグビーはすでに再開に向けた準備がかなり進んでいる。警戒レベルに合わせて発表されるスポーツ庁の行動指針に基づいて再開を目指す。
 ロビンソンCEOは、スポーツ庁の指針が再開に向けてかなり明確なものになったと明かし、アマチュアラグビーに関わるすべての人にとって光が見えてきたと話す。
「今回の政府の発表は、週末の楽しみであったラグビーをこの数か月諦めざるを得なかったすべての選手、コーチ、レフリー、ボランティアにとって大きな一歩となる。グラウンドの芝生の上で、皆が集まれる日を心待ちにしている」
 NZ協会は再開準備の体づくりのために、各クラブや学校にトレーニング器具の配布を始めた。

 SANZAARのアンディ・マリノスCEOは、「加盟する各地域でも、それぞれ警戒レベル等の引き下げがあれば順次適応して競技再開を目指していく。渡航制限はすぐに解除されるものではないと考えているため、多くは各国や地域内でのトーナメントが有力だろう」と話している。


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