ラグビーリパブリック

2019年最優秀選手。ピーター=ステフ・デュトイはなぜ、何度でも起き上がるのか。

2020.05.04

昨年のW杯準決勝でウェールズのモリアーティにタックルする南アのデュトイ(Photo: Getty Images)


 大きくてよく動く。相手にとってはやっかいで、味方にとっては心強い。

 南アフリカ代表のピーター=ステフ・デュトイは、身長200センチ、体重115キロという大きな身体で相手の腰元へ刺さり、起き上がり、次の守備位置につく。また身体を当てに行く。

 勤勉さ、負けん気。生来の気質に突き動かされている。

「これはパーソナリティも関係している。ギブアップすることなく続けました。チームを維持するためにもできるだけのことをおこないました」

 昨秋のワールドカップ日本大会でも、ウェールズ代表との準決勝では両チーム最多となる17本のタックルを記録するなど、ブラインドサイドFLとして持ち味を発揮。南ア史上3度目の優勝に喜んだ。

「いくつか間違いもあったけど、いろんな人のサポートがあったからここまでこれられました。たくさんの選手がお手本になってくれた」

 本人がこう語ったのは11月3日。国際統括団体のワールドラグビーが都内ホテルでおこなった年間表彰式で、年間最優秀選手に輝いた時だ。

 2018年3月に始まったラシー・エラスマス ヘッドコーチ体制下、選手が主体的にチームへ関わるようになったと話す。才能が適材適所に置かれたこと、強靭さを活かす戦法を選んだことと相まって、通称「スプリングボックス」は頂点に立てたのだという。

「プレーヤーとして個人としてもっと発言力を持たなきゃいけない。そういう態度で前に進もうと決めたことは大きかった」

 決勝トーナメントの初戦で日本代表を下した世界一の集団にあって、「必ずしもやりたいことがいつもできるわけではないが、努力を尽くしました」。まだ27歳。この人が緑のジャージィをまとって暴れることを、世界中のファンが期待していよう。

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