国際統括団体のワールドラグビーは5月2日、2日前に投票が締め切られた会長選挙の結果を発表し、ビル・ボーモント現会長がアグスティン・ピチョット副会長を破り、再選を果たしたことを明らかにした。
元イングランド代表主将である68歳のボーモント氏は、5月12日の理事会で正式に承認され、2期目となる新たな4年間の任務が始まる。
新副会長には、元フランス代表ヘッドコーチで現在はフランスラグビー協会の会長を務めるベルナール・ラポルト氏が選出された。
会長選の結果は当初、5月12日に発表される予定だったが、一騎打ちとなった両候補者の同意を得て前倒しの発表となった。
投票は4月26日から同30日までおこなわれた。
有権者の各協会が持つ投票数には差があり、シックスネーションズ(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、イタリア)とSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン)は各3票。日本は、各地域協会(アジア、オセアニア、アフリカ、ヨーロッパ、北中米、南米)と同じ2票を有し、ルーマニア、ジョージア、ウルグアイ、アメリカ、カナダ、サモア、フィジーが1票ずつ持っていた。
そして開票の結果、ボーモント氏が全51票のうち過半数を超える28票を獲得。元アルゼンチン代表主将である45歳のピチョット氏は南半球の仲間から支持を得ていたが、ヨーロッパ勢を味方につけたボーモント氏が第1ラウンドで決着をつけた(有権者には棄権の選択肢があり、引き分けとなった場合は、来週に2回目の投票がおこなわれる可能性があった)。
ワールドラグビーの会長として2期目に取り組むこととなったボーモント氏は、「今はお祝いの時ではない」と言った。新型コロナウイルスという前例のない危機に直面しており、やるべき仕事があると気を引き締める。
そして、「私はベルナールと協力し、進歩的で有意義で、持続可能な変化を実現する明確な使命を持っている。組織として、私たちは率先し、透明性と説明責任を果たし、すべての人に奉仕し続ける必要がある。この素晴らしいスポーツをより良く、よりシンプルに、より安全に、そしてより身近なものにするために、私たちは団結しなければならない」とコメントした。