ラグビーリパブリック

北米MLRは、コロナ中止にも選手の給与カットなし。リーグの財政は…

2020.04.21

今季は12チームに増え、人気を博したメジャー・リーグ・ラグビー。黄のジャージーは第1回大会王者のラプターズ。写真は2019年(Photos/Getty Images)

 発足3年目を迎えたアメリカの独立プロリーグ「メジャーリーグラグビー」(MLR)。

 人気もまずまずで、今季は参戦チームが昨季の9から12に増加。東、西地区に分かれ新方式で2月8日に開幕、5月31日までの総当たり1次リーグを開始した。

 ところが不運にも国内のコロナ禍による患者、死者急増で大打撃を受けた。3月8日に1次リーグ第5週を終えた時点で中断。さらに同25日に今季の再開は無理だとし、G・キルブルー・コミッショナーがシーズン打ち切りを決断した。

 W杯開催の翌年とあって、M・ノヌ(NZ)やT・ムタワリラ(南アフリカ)、欧州からもフランスのM・バスタロー(フランス)、B・フォーデン(イングランド)ら母国での活躍を終えた多くのトップ選手らも流入。日本からも元代表PRの畠山健介が挑戦するなど一層の盛況が期待されていた。

 他国のプロリーグより選手の報酬は安いと見られているが、キルブルー氏は報酬をカットせずにフルに支払うと表明。財政が危惧されている。欧州やNZ、オーストラリアなどでは、大幅な給料カットがリーグと選手の間で合意されている。

 一方で、2年前の第1回大会準優勝のコロラド・ラプターズ(旧グレンデール・ラプターズ)が、4月9日にリーグからの撤退を表明した。すでに昨季にそのうわさが出ていたという。今季は日本でもプレーしたR・レンジャー(元NZ代表)やD・イオアネ(元豪州代表)らも契約していた。

 今季のリーグ戦では、西地区のサンディエゴ・リジョンが唯一5戦全勝中だった。東地区では参入2年目のトロント・アロウズが4勝1敗で首位に立っていた。