ラグビーリパブリック

コロナ禍克服へ、リーチから元気になるメッセージ。本人はなわとび、読書で充実の日々。

2020.04.17

オンライン取材に応じたリーチ マイケル(写真提供:東芝ブレイブルーパス)


 昨年のラグビーワールドカップで悲願のベスト8入りを果たした日本代表の主将で、東芝ブレイブルーパスに所属するリーチ マイケル選手が4月17日、インターネットを使っての合同取材に応じ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で行動が制限されているいま、どんな思いで、どう過ごしているかなどを教えてくれた。

「ワールドカップが終わり、トップリーグもすごく盛り上がっているなかで、コロナの影響でラグビーができなくて、選手だけじゃなくファンの方もたくさん残念がっていると思います。選手としても東芝でプレーしてきて、今年もすごく調子よくて、優勝に向かって準備できていたんですけど、コロナの影響で中止になって、すごく残念です。けど、命が一番大事なので、感染拡大しないように、正しい判断をしたと思います」

 パソコンのモニター越しに見るリーチの表情は元気そうだった。
 トレーニングは、ブレイブルーパスのジムが閉鎖されているため自宅でやっているとのこと。充実した毎日を過ごしているという。
「いま、なわとびにハマってます。どうやったらうまくなるか、YouTubeの動画を見て、娘と一緒に(自宅の)近所でやってます。結構難しくて、手と足の運動を連係しないといけないんで、やれば身体能力が高くなるんじゃないかと思ってます」
 最近は45キロのダンベルを2つ、ネットオークションで安く買ったそうで、それで上半身のウエイトトレーニングもしているとのこと。あとはリハビリなど、いままで時間がなくてできなかったことをやっているそうだ。

 ラグビーをできない日々が続いているが、ストレスはさほどないと言う。
「ずっと10年くらいトップのラグビーをやってきて、こんなに家族といる時間はなかったので、奥さんと娘はすごく喜んでます。その時間をうまく使って、娘と工作づくりをしたり、学校に行けてないのでワークブック(学習帳)を一緒にやったり、いままでできなかったことをやっています。(以前は)本を買っても読まないことが多かったんですけど、たくさん買った本を読んだりして、すごく充実してます」

頼もしい大将、リーチ マイケル。31歳(撮影:松本かおり)

 トップリーグなど国内シーズンは終わったものの、日本代表はテストマッチが組まれており、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチやリーダーグループとは連絡を取り合っているとのこと。母国のニュージーランドやフィジーにいる家族とも連絡をとれており、不安は全然ないと笑った。

 ファンへのメッセージを訊くと、「いまライブの試合は見れないけど、YouTubeなどで過去のすごくおもしろい試合映像を見れます。代表選手の若いときの映像だったり、昔のプレーなど、すごくおもしろいと思います」とおススメした。また、いまラグビーをプレーできない学生や子どもたちに対しては、「家で自主トレーニングしたり、次のシーズンへ向けて準備することがいちばん重要。いまの時間を使ってやっていくのが大事だと思います」とアドバイスを送った。

 昨年のワールドカップでは日本代表が強く団結してベスト8入りの快挙を成し遂げ、ラグビーフィーバーが巻き起こり、スローガンにしていた「ONE TEAM」という言葉が流行語になった。それを生んだ当事者であるリーチは、新型コロナウイルスの苦しみを乗り越えるためにも「ONE TEAM」になることが必要だと言う。
「『ONE TEAM』で大事なことは、一人ひとりが責任を持って行動することです。そして、トップの人が言ったことにしっかり従うこと。それをやれば、一つのチームになれる。いま、安倍総理も小池都知事も外出自粛などを求めている。一人ひとりがそうすれば、感染拡大を防げるし、『ONE TEAM』として行動できると思います」

 そして、常に自分の行動を見直すことが必要だとリーチは言った。
「一週間をレビューしたり、一日をレビューしたり、考えて行動することがいちばん重要かなと思います。慣れてきて、ニュースも見ないようになって、油断したときがいちばん危ない。だから、毎日毎日自分の行動を見直して、正しい行動をとることがいちばん大事です」

 闘将の言葉は重かった。そして、元気だった。

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