新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大がラグビー界にも大混乱をもたらしているなか、国際統括団体のワールドラグビーは4月16日、世界中のラグビー界を支援するため、また世界的大流行の影響を緩和するために立ち上げた「COVID-19 救済戦略」を発表した。
ラグビーの再開に向けて加盟協会を支援するため、約1億ドル(約108億円)の救済基金を設立。緊急資金を必要とする加盟協会は、適正条件を満たしていればこの救済基金を利用することができる。ラグビーの試合や大会が延期・中止となっている間、できるだけ多くの協会に最大限の金額で支援できるよう設計されているという。
シックスネーションズ(イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス、イタリア)とSANZAAR(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン)協会向けの前払いとローンを組み合わせた融資パッケージ、またラグビー新興国とリージョナルアソシエーション(地域協会)にも必要に応じて支援する約束をした。
また、今年の国際試合に関するカレンダーについても、国際ラグビー選手会などとも全面協力し、関連政府および保健当局からの勧告に応じてさまざまな計画を進めているという。協会や国内リーグが最適な形で試合の機会を得るよう、国際ラグビーカレンダーを短期的に立て直すことも含まれる。
日本代表は6月27日に静岡・エコパスタジアムでウェールズ代表戦、7月にはイングランド代表との2試合(7月4日に大分・昭和電工ドーム大分で第1戦、7月11日に兵庫・ノエビアスタジアム神戸で第2戦)が予定されており、11月は海外遠征でスコットランド代表戦とアイルランド代表戦が組まれているが、秋に過密スケジュールでおこなわれる可能性もある。
しかし、10月、11月になっても新型コロナウイルスをめぐる状況が変わらず各国の厳しい移動制限が続くことも考えられ、ワールドラグビーは、今年中には国際試合が実施できないという最悪のシナリオも想定して計画を立てていくという。
ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は、「前例のない危機にさらされ、我々は、新型コロナウイルスの世界的大流行による大きな挑戦のなかで一体となり、前例のない措置を講じてグローバルラグビー、加盟協会、大会、そして選手たちを支援します」とコメントした。