ラグビーリパブリック

【動画メニュー】初心者から育てる。浦和高校のトレーニング [2]

2020.04.07

2回戦では青森山田を撃破。初めての3回戦進出を決めた(撮影:宮原和也)

*トレーニングの位置づけ、指導の基本指針は[1]に!

MENU_8  1対1・押し合い

・22m×左右
・体幹・姿勢を意識
・屈んだ方が、相手を押し込む。闇雲にドライブするのではなく、姿勢と安定(高さ、左右にブレない)を保って、確実に相手を押し下げる

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MENU_9  高速タイヤ押し

・22m×3本
・肩よりも腰をやや低くした姿勢で
・安定して速く押す!
*小柄なチーム。ドライブは、よりアグレッシブに!

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MENU_10 メディシンボール

・10回×3方向
・体全体(特に背筋)の瞬発力を使って投げる
・投げる方向は真後ろ。投げたボールのスピード、高さや距離を意識

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MENU_11   スクエアラン

・2人で交互にスタート
・①⑤=前向きダッシュ/③⑦=後ろ向きラン/②④⑥⑧=サイドステップ
・敏捷性を高める意識を!

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MENU_12  マルコム

・中央のマーカーからスタート、まずはバック走
・後ろのマーカーで胸を地面につけてすぐさま起き上がる
・起き上がり方はもちろん「FOG」(起き上がった瞬間に足が前後の体勢に)
・前のマーカーまでラン、前のマーカーで寝る起きる
・中央のマーカーへ バック走

①バック走 →②寝る・起きる →③ラン →④寝る・起きる →⑤バック走


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MENU_13   コアとプル

・胸を張り、自分のコアを確認
・お尻を引くようにして、股関節を曲げる → 強く、安全な姿勢を確認。スクラム、タックルなどすべてのコンタクトプレーに生かす!


It‘s 浦高’sWAY  :::::::::::::::::::::::::::

オリジナリティをどう扱うか。
走るメニューを削る決断


前回出場は2013年度。当時53年ぶりの出場は大きな話題になり、OB、関係者を喜ばせた。しかし、当時の監督・小林剛教諭、コーチ・三宅教諭(現部長)は、ともにさらなる改革に取り組んでいった。三宅部長が監督就任時には、トレーニングの構成にも手を入れた。

「当時から、2月の『冬季キャンプ』は重要な体づくりの期間だったのですが、今よりももっと、長い距離を走るメニューが多かった」(三宅部長)

 体の小さなチームは走力で相手を上回る意識が高い。しかし三宅監督は、「走り勝つ」のなかに「動き勝つ」ことを見据えて、パワーや筋量を増やすメニュー、また敏捷性や、実戦的なラグビーの動きをトレーニングに取り入れた。その分、長距離ランのメニューは削った。

「走ることは、他の練習での走る意識を上げて補った」

 メニューで言うと、スクエアランやマルコムは、三宅部長が加えたもの。寝る起きる、方向転換などの動きが採り入れられている。

([3]につづく)