ラグビーリパブリック

新しい無印の星は今年も活躍。ジュニア・ジャパンの木田晴斗が見据える世界。

2020.03.28

パシフィック・チャレンジ2020のサモアA戦でゴールを目指す木田晴斗(Photo: Zoomfiji)


 立命館大新3年の木田晴斗は今年3月、若手主体のジュニア・ジャパンに選出された。このチームが参加するパシフィック・チャレンジ(フィジー・スバ)へ前年度に引き続き挑み、2試合に出て3トライをマークした。

 身長175センチ、体重88キロのWTBは、体幹の強さとボディバランスを持ち味とする。タックラーにつかまれても簡単には姿勢を崩さない

 そのタックラーとぶつかる瞬間には、持ち前のランニングスキルで相手の芯から逃れている。地面に倒されても相手に絡まれない位置へボールを置ける。

「相手に寝かされるのではなく、自分から次にボールを活かすために自分から寝る。ボールを持って前に出られたら、ジャッカルされることもない」

 新しい異色戦士だ。楕円球と出会った小学5年の頃は、幼少期から習っていた空手にも夢中。黒帯を持っていた。

 大阪にある私立の関西大倉中に入れば、道場と別れを告げて自らラグビー部を作った。高校は内部進学し、全国大会やカテゴリー別代表と無縁ながら立命館大の練習に参加。スポーツ推薦を勝ち取った。

 いわゆるエリートコースと異なる道を駆け上がっている最中にあって、意識するのは世界進出だ。ラグビーを始めた頃から国際リーグのスーパーラグビーが好きで、いまはそのステージで自分が活躍する術を模索しているという。

「僕は昔から海外でプレーしたいと思っていた。そこで活躍できたら日本代表(入り)にもつながる。もちろんそうなるにはまだまだ遠いんですけど、ランニングスピードを上げていけばいけると思います。瞬発力はトレーニングで変わっていくので、個人でやっています」

 日本代表にあって、WTBは新たな人材の発掘が求められるポジションのひとつだ。

 ワールドカップ日本大会で快速を披露した福岡堅樹は15人制代表からの引退を表明済みで、同大会で5トライをマークした松島幸太朗は今夏からフランスのトップ14に挑むため日本代表ツアーへの参加は流動的だ。

 レメキ ロマノ ラヴァ、アタアタ・モエアキオラといったワールドカップ2019スコッドメンバー、24歳の尾崎晟也ら若き代表経験者、天理大の新4年でスーパーラグビーのサンウルブズでもプレーするシオサイア・フィフィタらとともに、元黒帯の青年も新たな市場へ加わりたい。

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